小林 もちろん、人びとが不自由なく生活を送るための業務を遂行するうえで、当社の社員の安全対策は最も重要視されるべきであると考えています。新型コロナウイルスの感染状況に応じて、全社で目標とする社員の出勤率は既に10回以上変えています。

■企業理念「三方よし」と企業価値拡大の関係性
出所:伊藤忠商事
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臨機応変な対応の背景に、働き方改革に早くから取り組んできた成果もありますか。

小林 従来から朝型勤務を奨励するなど、働き方を柔軟にしていますが、この10年間、社員は高い生産性を達成してきました。さらに、コロナ禍で出勤率を柔軟に変え、事業を継続させた「レジリエント(強靭)な体制」は当社の特色であり業績にもつながっていくものと考えています。今回のように予測不能で逃げ場がない状況では、災害やテロなどのBCP(事業継続計画)が役に立ちません。今後どのような状況でも、レジリエントに対応できるという自信を深めることができました。

環境分野の事業にはどう取り組んでいますか。

小林 環境関連事業ではごみ焼却発電や水事業が得意分野です。人びとの生活に密着した「生活産業」の分野で、世界で展開をしています。一方カーボンニュートラルの観点からいえば、石炭などの資源権益も保有しているので、30年をめどに、再生エネルギー比率を20%超に高めていく目標を作っています。現在、日本の電力は石炭火力発電の役割が重要ですが、引き続きエネルギーの安定供給という社会的要請に応えつつ、持続可能な社会発展に貢献していきます。

サステナビリティへの貢献という視点で、商社のビジネスモデルの強みとは何でしょうか。

小林 世界の人びとが日常生活を安心して続けるための社会基盤を支えるという「面」を大きく広げていくことで、「三方よし」の精神を体現していく。すなわち、本業を通じてサステナビリティに寄与できることだと考えています。