聞き手/酒井 耕一(日経ESG発行人)

キシリトールのさらなる普及活動を推進し、歯と口の健康維持に貢献する。安価で心安らぐコンフォートフードの菓子を通して、新たな価値提供を目指す。

ロッテは「食と健康」「環境」など5つのマテリアリティを設定した「ESG中期目標」を掲げています。2020年に「歯と口の健康のためにキシリトールを生活に取り入れる人の割合」という項目を追加した理由は何ですか。

牛膓 栄一(ごちょう・えいいち)
牛膓 栄一(ごちょう・えいいち)
ロッテ 代表取締役社長執行役員
1960年神奈川県生まれ。83年明治大学卒業後、ロッテ入社。2008年ロッテ商事 営業統括部執行役員、15年常務取締役、同年ロッテホールディングス取締役(兼任)、16年ロッテ商事 代表取締役専務(兼任)。18年4月、傘下に3社が合併し、新会社ロッテ代表取締役社長執行役員就任(写真:村田 和聡)

牛膓 栄一 氏(以下、敬称略) 1997年にキシリトールガムを発売し、「ガムを噛むことで歯を健康に保つ」というイノベーションを起こしました。キシリトールという素材にはむし歯予防の効果がありますが、我々の調べではキシリトールの認知率が89.5%なのに対し、具体的な機能を理解する人は25.5%、歯と口の健康のために生活に取り入れている人は32%です。改めてキシリトールを広く世に知らしめ、歯と口の健康維持に貢献したいと考えました。

 具体的には、20年10月に「その歯と100年。キシリトールプロジェクト」を開始しました。福島県会津若松市内の10カ所の保育園と幼稚園にキシリトール入りタブレットとサーバー(下写真右)を提供しています。2023年までに全国10都市で同様の活動を進める予定です。

健康のために「噛むこと」の普及活動にも取り組んでいます。

牛膓 18年に研究所や営業部、マーケティング部などからメンバーを集めた「噛むこと研究部」を設立し、噛むことの重要性を広める活動に取り組んでいます。医学、歯学、美容など異分野の有識者らと「噛むこと健康研究会」を発足させ、噛むことの効能を研究しています。

 その一環として、千葉ロッテマリーンズの選手向けに、ガムのサイズや噛み心地、フレーバーなどをカスタマイズしたオリジナルの「マイガム」を提供しています。噛むことで、リラックスしたり集中力を上げたりする効果が期待できます。20年にマリーンズがパ・リーグで2位に入ったのはそれが理由じゃないかな(笑)。

 ゴルフのマスターズでもタイガー・ウッズらトップ選手数人が、プレー中にガムを噛んでいました。噛むことの重要性は浸透しつつあると感じています。

■ESG中期目標の1つとして取り組む「食と健康」
■ESG中期目標の1つとして取り組む「食と健康」
出所:ロッテ
福島県会津若松市内10カ所の幼稚園などにキシリトール入りタブレットとサーバーを提供。2023年までに全国10都市での活動を見込む<br><span class="fontSizeS">(写真提供:ロッテ)</span>
福島県会津若松市内10カ所の幼稚園などにキシリトール入りタブレットとサーバーを提供。2023年までに全国10都市での活動を見込む<br><span class="fontSizeS">(写真提供:ロッテ)</span>
福島県会津若松市内10カ所の幼稚園などにキシリトール入りタブレットとサーバーを提供。2023年までに全国10都市での活動を見込む
(写真提供:ロッテ)