聞き手/酒井 耕一(日経ESG発行人)

住宅ローン利用者のライフステージに合わせた様々な商品・サービスを提供する。「本当に住みやすい街大賞」を活用するなど地域活性化、空き家対策、住み替え推進でESGを実践する。

2021年1月にアルヒの副社長に就任しました。

勝屋 敏彦(かつや・としひこ)
勝屋 敏彦(かつや・としひこ)
アルヒ 代表取締役副社長 COO
1989年三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行、2006年マネックスビーンズホールディングス(現マネックスグループ)入社、15年マネックス証券代表取締役社長、17年マネックスグループ取締役執行役、18年4月コインチェック代表取締役社長、21年より現職(写真:村田 和聡)

勝屋 敏彦 氏(以下、敬称略) 前職のマネックスグループは15年、その前の三菱UFJ銀行には17年在籍しました。三菱時代は米国ニューヨークで、企業が保有する債権を買い取って流動化する証券化の仕事を手掛けました。マネックスではFXや証券、仮想通貨などを担当しました。アルヒでは証券化と住宅ローンなど個人向け金融の両方ができると思っています。

住宅ローン専門の金融機関としての事業モデルを教えてください。

勝屋 住宅ローンは一般的に、住宅を購入するときに検討します。ローン案件の獲得には、不動産事業者との関係が構築できていることが非常に重要です。当社は全国150カ所以上の店舗があり、現地の不動産事業者と良好な関係を築いています。

 住宅ローンは大きく変動金利と固定金利に分かれます。固定金利は住宅金融支援機構の「フラット35」が主力ですが、当社は頭金の比率に応じて金利を引き下げるオリジナル商品も販売しています。変動金利については、ネット銀行の商品で展開しています。固定・変動両方の住宅ローンを扱うことで、お客様の多様な要望に応えられるのが強みです。

 業務プロセスの自動化やデジタル化で、店舗で受けた審査申し込みをスムーズに処理して回答できます。住宅ローンは審査結果が早く出る金融機関から借りられることが多く、借り入れ希望者から選ばれやすくなっています。また融資した住宅ローンの債権は他の金融機関に売却します。当社の資産には計上されないので、総資産が膨らみません。

ワンストップで住み替え支援

21年の中期経営計画で新しい方向性を打ち出しました。

勝屋 中計では、従来型の住宅ローン会社から、世界でも類を見ない総合的な「住み替えカンパニー」への進化を目指しています。

 個人のお客様にとって住宅ローンは、賃貸から持ち家、持ち家から持ち家といった住み替えの一局面にすぎません。住み替えのために家を探して住宅ローンを組み、転居して家財を購入するところまで、ワンストップでサービスを提供できるのが「住み替えカンパニー」です。