聞き手/安達 功(日経BP 総合研究所フェロー)

レジリエンス、トランジションなど4分野に重点的に資源を投入する。ステークホルダーと密接に連携を取りながら、持続可能な社会実現への貢献を目指す。

2021年に第5次中期経営計画を発表しました。

原田 文代(はらだ・ふみよ)
原田 文代(はらだ・ふみよ)
日本政策投資銀行 執行役員(GRIT担当)兼 経営企画部サステナビリティ経営室長
1992年日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行、2015年国際統括部担当部長兼企業金融第6部担当部長兼女性起業サポートセンター長、17年企業金融第5部担当部長、20年ストラクチャードファイナンス部長、21年1月経営企画部担当部長兼務、同6月より現職(写真:大槻 純一)

原田 文代 氏(以下、敬称略) コロナ禍の影響やサステナビリティ重視の潮流を踏まえ、当初の予定から1年遅れで策定しました。17年に策定した「ビジョン2030」の実現に向けた、前半5カ年の計画となっています。

 キーワードは「つなぐ」です。当行が結節点・触媒となり産業、世代、地域をつなぎ、ステークホルダーとともに持続可能な社会実現に向けた価値創出を目指します。そのために「GRIT戦略」を推進します。グリーン、レジリエンス、イノベーション、トランジション(移行)の頭文字で、この4分野に5年間で全体の4割に当たる5兆5000億円を投入します。

GRITの投融資事例を教えてください。

原田 再生可能エネルギーのプロジェクトはグリーン、老朽化したガス管や上下水道、送電線といったインフラの補強はレジリエンスの投融資案件です。こうした狭義の定義に当てはまらない案件でも、お客様と対話を重ねる中で意義があると認められたものはGRITに含めます。

 サプライチェーンに不可欠なのに後継者がいない企業の事業承継の支援、地域観光の価値向上に貢献するホテルの経営支援などもレジリエンスの投融資案件となります。

 脱炭素へのトランジションファイナンスについては、経済産業省を中心に分野別ロードマップを作成中です。より広い概念で、企業・産業が「50年カーボンニュートラル」に向けてサステナビリティを追求するプロセスを支援します。

 自動車業界で電動化が進む中、エンジン部品メーカーの新たな事業展開の支援などもトランジションの投融資対象です。お客様、産業、地域に寄り添い、当行の強みを生かしながらトランジションを支援します。

■持続的成長に向けたDBJ GRIT戦略
■持続的成長に向けたDBJ GRIT戦略
出所:日本政策投資銀行
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