聞き手/酒井 耕一(日経ESG発行人)

長期経営計画「VISION2030」を策定し、事業ポートフォリオの変革を進める。ROICと独自の非財務指標を目標に掲げ、経済・社会・環境価値の向上を図る。

2021年6月に30年までの長期経営計画「VISION2030」を発表しました。経緯を教えてください。

橋本 修(はしもと・おさむ)
橋本 修(はしもと・おさむ)
三井化学 代表取締役社長
東京都出身。1987年北海道大学法学部卒業後、三井石油化学工業(現三井化学)入社。2014年理事経営企画部長、15年執行役員、17年常務執行役員ヘルスケア事業本部長、18年取締役、19年専務執行役員、20年より現職(写真:村田 和聡)

橋本 修 氏(以下、敬称略) 当社は16年に、25年までの長期計画「VISION2025」を発表しました。しかし、その後コロナ禍、脱炭素化の加速、DXの進展、バイオ技術の進歩など外部環境が劇的に変化し、見直しが必要となりました。

 従来の計画では、単なる素材提供ビジネスから顧客の先にあるニーズを探る「顧客基点型ビジネスモデル」への転換を掲げていましたが、十分に達成できていません。

 今回は付加価値を生み出す具体例として、ソリューション型ビジネスモデルやサーキュラーエコノミー型ビジネスモデルを提示しました。顧客のニーズを捉えるだけでなく、その先にある社会課題を見据えた価値提案が重要だと考えています。

事業ポートフォリオの変革にも取り組んでいます。

橋本 今ある事業を、ライフ&ヘルスケアソリューション、モビリティソリューション、ICTソリューション、ベーシック&グリーン・マテリアルズの4領域に再編します。当社が持つ技術・製品の延長線上に可能性が広がるライフ&ヘルスケアを第1の柱として深掘りします。

 基盤であるベーシック&グリーン・マテリアルズは、コストダウンや設備最適化などにより収益を安定化すると同時に、脱炭素などの切り口で新たなビジネスを構築します。 こうした変革を推進する上で武器になるのがDXです。教育体制を整えて、社員のリテラシー向上に取り組み始めています。

■主要経営課題とマテリアリティから策定した「VISION2030」基本戦略
■主要経営課題とマテリアリティから策定した「VISION2030」基本戦略
※CE:サーキュラーエコノミー、DX:デジタル・トランスフォーメーション、SC:サプライチェーン
(出所:三井化学)
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