聞き手/藤井 省吾(日経BP 総合研究所副所長)

調剤薬局事業をコアビジネスとし、医療に特化した幅広い事業サービスを提供する。21のマテリアリティを特定し、サステナビリティ経営を推進していく。

日本調剤グループは、調剤薬局事業を中心に、医薬品製造販売、医療従事者派遣紹介、医薬コンサルティングといった幅広い事業を医療・ヘルスケア向けに展開しています。個々の医療機関は株式を公開する仕組みではないですから、投資家は上場企業を通して、医療・ヘルスケアの変革をサポートしていると考えています。日本調剤はマテリアリティを特定し、2021年12月に公表しました。その目的について教えてください。

三津原 庸介(みつはら・ようすけ)
三津原 庸介(みつはら・ようすけ)
日本調剤 代表取締役社長
1999年日本調剤入社後、経営企画部長、営業推進部長を歴任。東京証券取引所市場第一部上場の責任者として管理体制を整備・構築した。その後、事業全般、M&A、広報、薬剤師採用、電子お薬手帳、新規事業の責任者として従事。2014年同社取締役に就任。常務取締役・専務取締役を歴任し、19年6月代表取締役社長に就任(写真: 吉澤 咲子)

三津原 庸介 氏(以下、敬称略) 日本では超高齢社会を迎え、歯止めのきかない医療費の増大により、 医療保険制度の維持が危ぶまれています。そうしたなか、当社では調剤薬局事業を中心として医療・ヘルスケアを通して、社会課題の解決に取り組んできました。

 調剤薬局業務は、医薬分業がベースであり、薬の処方と調剤を分離し、医師、 薬剤師という専門家が医療システムのなかで明確な役割分担と強固なチームワークを持ち、患者さまをサポートする医療制度です。この仕組みを基に、さらに持続可能な社会への貢献と継続的な企業価値を高める取り組みを加速するために、今回のマテリアリティを特定しました。

持続的成長がSDGsに貢献

どのようなプロセスでマテリアリティを特定したのでしょうか。

三津原 21年度にグループ横断のサステナビリティ推進プロジェクトを立ち上げ、半年以上の議論を経て、マテリアリティの特定を実施しました。社内におけるSDGsの理解促進からはじめ、当社グループ全体の事業活動の洗い出し、事業活動とSDGsとを紐づけて分析して、最終的には外部からの視点も加えて評価を行いました。こうしたプロセスを通して感じたことは、当社がこれまで取り組んできた事業や経営スタイルは、SDGsと非常に親和性が高いということです。特に、SDGsの3番目に掲げられている「すべての人に健康と福祉を」は、あらゆる人の健康的な生活を確保し福祉を推進することであり、まさに当社の本業の推進と持続的成長の実現こそが、SDGsの達成にも寄与するものと考えています。今後は、6つの重要課題グループに大別される21のマテリアリティを踏まえ、事業活動を通じた貢献と経営基盤の強化の両面から、サステナビリティ経営を推進していきます。

■ 日本調剤グループのマテリアリティ
■ 日本調剤グループのマテリアリティ
21のマテリアリティを特定した。経営戦略とサステナビリティを紐づけ、実効性の高い取り組みを進める
(出所: 日本調剤)
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