聞き手/:田中 太郎(日経ESG経営フォーラム事業部長)

エッセンシャルワーカー向けなど品ぞろえを充実させ、ネット通販のワンストップ化を目指す。2022年2月にグループの人権方針を策定し、人権尊重・法令順守を宣言した。

コロナ禍の中で業績が好調に推移しています。

吉岡 晃(よしおか・あきら)
吉岡 晃(よしおか・あきら)
アスクル 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)
2001年アスクル入社。医療介護施設向け通販を立ち上げ、収益化を実現。12年取締役就任、個人向け通販「LOHACO」の立ち上げからCOO(最高執行責任者)として従事、19年8月より現職。アルファパーチェス取締役兼任(写真:大槻 純一)

吉岡 晃 氏(以下、敬称略) 2021年5月期は、コロナ禍の影響で主力のBtoB事業でオフィス用品の業績が落ち込みましたが、衛生用品などの感染対策商品でカバーできました。売り上げ、利益とも過去最高を大幅に更新しました。

 個人向けネット通販「LOHACO」については、Zホールディングスとの連携強化で固定費の削減を実現しました。「PayPay経済圏」で効率的に売り上げを伸ばし、計画通りに赤字を削減しました。23年5月期の黒字化を達成するとともに、その後の収益拡大を見据えた成長も視野に入れています。

21年7月に発表した4カ年の中期経営計画では、「オフィス通販からのトランスフォーメーション」を掲げています。

吉岡 オフィス通販から始まった当社ですが、近年は文具より生活用品の需要が増えています。オフィス用品の取り扱いは今後縮小し、様々な仕事場で求められる専門商材にシフトしていくでしょう。

 オフィス中心から市場を広げていくために医療介護、製造業、建設業などの現場で働くエッセンシャルワーカーに向けた品ぞろえを充実させます。製造業で言えば、梱包用品や軍手といった汎用品から、機械部品や容器類など製造現場に必要な商品を増やします。

 従来の生活用品を軸にして、専門性の高い商品までワンストップで購入できる仕組みが必要です。使い勝手がよくストレスのないウェブサイトの構築で、EC(電子商取引)通販ビジネスを進化させていきます。

中計の基本方針で「サステナブル経営」を最初にあげた理由を教えてください。

吉岡 サステナブル経営は会社を運営する上での基礎です。その上でお客様価値の最大化、高収益モデルへの変革を行い、世の中に利益を還元していきたいと考えています。

 20年12月に新しい「ASKULWAY」を定め、パーパス(存在意義)とバリューズ(価値観)を策定しました。私は2週間に1度、社内向けにCEOメッセージを発信しています。その中でパーパスやバリューズを取り上げることで、ASKULWAYの浸透を図っています。

■ 中期経営計画の位置づけ
■ 中期経営計画の位置づけ
出所:アスクル
[クリックすると拡大した画像が開きます]