聞き手/桔梗原 富夫(日経BP 総合研究所フェロー)

サステナビリティを基軸として事業と社会の変革に主体的に取り組む。新たな事業ブランドを打ち出し、社会課題の解決に向けたビジネスを推進する。

2021年4月にサステナビリティ最高経営責任者であるCSOに就任されました。その使命を教えてください。

梶原 ゆみ子(かじわら・ゆみこ)
梶原 ゆみ子(かじわら・ゆみこ)
富士通 執行役員常務 CSOサステナビリティ推進本部長
富士通入社後、2013年2月法務本部長、15年4月常務理事。21年4月から現職(写真提供:富士通)

梶原 ゆみ子 氏(以下、敬称略) 気候変動問題に対し、カーボンニュートラルが切望される現状に加え、新型コロナウイルス感染症の流行は世界が脆弱であることを強く認識させ、不平等や格差といったSDGsに示される課題を浮き彫りにしました。そのような状況下で当社グループのCSOに就任した私の使命は、社会が直面するグローバルな問題に対応するために、新たな価値創造に向けた変革を後押しすること、そして当社グループによる社会課題解決への取り組みを外部に発信していくことだと考えています。

20年に定めたパーパス(存在意義)について聞かせてください。

梶原 私はパーパス策定の初期段階から関わっていたのですが、検討プロセスを経てたどりついたのは、長年にわたりテクノロジーを通じて価値を提供してきたグローバル企業である当社には、社会の変革に主体的に貢献する責任があるということでした。この思いを背景に、パーパスを「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」と定めました。当社が目指す方向は、「90億人以上が地球の限界の範囲内で豊かに生きられる社会」を目指す、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)の「ビジョン2050」と同じです。パーパスはグループ社員13万人の羅針盤となるわけですが、これを実現するために「Fujitsu Way」を12年ぶりに刷新しました。当社の歴史やDNAを掘り下げ、挑戦・信頼・共感からなる大切にする価値観と行動規範をまとめ、17カ国語の解説書を作成し、浸透を図っています。

サステナビリティ経営の推進に向け「グローバルレスポンシブルビジネス(GRB)」を掲げています。

梶原 まず、事業の全てがパーパスの実現に向けた活動となるよう、財務と非財務の両輪で経営を行うことで、社会に対して長期的に貢献でき、それが当社の成長機会創出にもつながる「価値創造モデル」を描きました。その中で、GRBを非財務の枠組みとし、サステナビリティ経営における7つの重要課題を設定しました。「ウェルビーイング」「サプライチェーン」など重要課題それぞれにKPI(重要業績評価指標)を設定し、活動しています。