聞き手/渡辺 和博(日経BP 総合研究所上席研究員)

再生可能エネルギーへの転換などで、2030年度までにCO₂排出量の13年度比46%削減を目指す。生分解性を持つ新たなセルロース製品の開発で、海洋マイクロプラスチック問題の解決に貢献する。

段ボール業界のリーディングカンパニーとして、早くから資源循環の取り組みを進めてきました。

古田 拓(ふるた・たく)
古田 拓(ふるた・たく)
レンゴー 執行役員 研究技術開発・環境経営推進部門 中央研究所長 兼 環境経営推進部担当
1961年生まれ。86年レンゴー入社。パッケージや素材の研究・開発業務に従事し、パッケージ開発部長を経て、2017年より中央研究所長。21年より執行役員に就任し、研究技術開発・環境経営推進部門 中央研究所長 兼 環境経営推進部担当(現職)(写真:太田 未来子)

古田 拓 氏(以下、敬称略) 「段ボール」を日本で初めて製造し、その名を付けたのも当社の創業者・井上貞治郎です。段ボールの材料である原紙から製造する一貫生産に取り組む中で、使用後の段ボールを回収して再利用するシステムもいち早く構築しました。今では、当社の古紙利用率は98.6%です。

段ボールの薄物化や軽量化にも取り組んでいます。

古田 従来、段ボールは5mm厚と3mm厚が標準でしたが、当社では4mm厚と2mm厚を開発しています。薄くしながら強度を維持するために、紙の波形の設計や接着剤などの技術開発を重ねており、5mmを4mm厚にしたことで厚さを約20%削減しました。運送効率の向上という付加価値を提供しています。

 材料の原紙の軽量化にも取り組み、1m2当たり160gの原紙と同じ強度を持つ同120gの「LCC120」や、同じく従来の同120gに対応する同90gの「LCCX90」といった軽量強化原紙をお届けしています。

原材料の削減とともに、CO₂排出量の削減にもつながるのだと考えますが、環境負荷の低減に取り組み始めたのはいつ、どのようなことからですか。

古田 当社では1992年に「地球環境対策室」を設けてから長く環境対策に取り組んできました。エコチャレンジとして10年ごとの環境目標を設定しており、2021年に策定した「エコチャレンジ2030」では、政府の目標に合わせ30年度までにCO₂排出量の13年度比46%削減という目標を掲げています。もちろん、容易なことではありませんが、設備面をはじめ省エネ対策、生産性の改善などを粛々(しゅくしゅく)と積み重ねることで実現可能な数字だと考えています。

 具体的には、紙を乾燥させるために大きな熱源を必要とする製紙工場において、化石燃料からの燃料転換を図っています。06年から導入を始めたバイオマスボイラーを現在、利根川事業所(茨城県)にも増設中で、22年10月から稼働予定です。

 福島矢吹工場など新工場を建設する際にはメガソーラーを整備しており、日中の工場の稼働を賄うだけの発電能力があります。今後も可能な限り、再生可能エネルギーへの転換を図っていきます。

■ 2021年に策定したエコチャレンジ2030
■ 2021年に策定したエコチャレンジ2030
出所:レンゴー
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