聞き手/斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

独自のオフィス製紙機で使用済みの紙を再資源化し、環境負荷低減に貢献する。地域の産学官民と協力し、「紙資源を地域で循環させる」取り組みを推進する。

プリンターなど情報関連機器を扱う企業として、ニューノーマル時代におけるオフィスのあるべき姿をどのように考えていますか。

中野 雅陽(なかの・まさはる)
中野 雅陽(なかの・まさはる)
エプソン販売 取締役 販売推進本部長
神奈川県生まれ。1987年エプソン販売入社。2006年同社宣伝部長、15年広報・宣伝部長、17年広域・量販営業本部副本部長、19年販売推進本部長を経て、19年6月より現職(写真:村田 和聡)

中野 雅陽 氏(以下、敬称略) コロナ禍によって各企業のセンターオフィスの使用頻度が低くなり、働く場がシェアオフィスや家庭などに分散しています。この環境の中で、どうセキュリティを保ちながら印刷環境を提供していくかを考えなければなりません。例えば「エプソンコネクト」というソリューションには、プリンターに割り当てられたアドレスにメールを送るだけでメールの本文や添付ファイルがプリントできる機能があります。センターオフィスから家庭などの各拠点のプリンターへと安全に情報を送信でき、直接印刷することが可能です。このソリューションは今後も積極的に提案していきます。

 ペーパーレスが加速していくと思われますが、一覧性や視認性といった利便性を持つ紙はすぐにゼロにはなりません。これからは紙資源を有効活用するために、「ペーパーラボ」を中心とした環境配慮型オフィスへの転換が重要だと考えています。

それは具体的にどのようなオフィスなのでしょうか。

中野 まずペーパーラボとは、使用済みの紙を繊維状に粉砕し、文書情報を完全に抹消したうえで、紙を成形する機械です。本来、紙の再生には大量の水を必要としますが、独自のドライファイバーテクノロジーを搭載したペーパーラボは水をほとんど使用しません。

 環境配慮型オフィスは、このオフィス製紙機と、熱を使わない、独自のインク吐出技術により従来のレーザープリンターに比べて低消費電力・低廃棄物・低コストを実現したインクジェットプリンターを組み合わせることで成り立ちます。

 つまり、環境性能の高いインクジェットプリンターを活用しながら、紙資源の循環活動をするのです。当社の新宿オフィスでも稼働しており、2019年7月から20年12月までに約222万枚の紙を再生しました。