従業員のキャリアパスを拡大

 キャリアパスの多様化も進めています。求めるケイパビリティ(企業成長の原動力となる能力)を持つ人材については、社内外を問わず積極的に採用したいと思っています。20年は役員クラスも社外から採用しました。

 また新任の課長の登用を全てポスティング(社内公募)とし、本社とグループ会社間で異動する例が出てきました。グループ全体で国内で約8万人、海外は約4万人の社員がいます。コラボレーティブに働くことによってイノベーションが起きる。その1つの軸としてパーパスがあり、富士通なりの統一した人事制度になるように意識しています。今、従業員エンゲージメントの向上にも注力しています。

取締役会の議長に社外取締役を据えるなど、ガバナンスのあり方や議論の進め方はどう変わりましたか。

時田 議長の阿部敦さん(産業創成アドバイザリー シニア・アドバイザー)とは今朝も電話で話をしましたが、毎回ご指導をいただいています。社外取締役の方々は皆その道の専門家で、すぐれた経験と知見をお持ちです。非常に活発に意見を言ってくださる。

 例えば財務指標をどう公開していくか、株主目線や投資家目線で何を知りたいかなど、詳しく教えていただける。M &Aなど富士通が得意としていない分野についても多くの学びがあります。

20年4月に顧客企業のDXを実現する新会社「Ridgelinez(リッジラインズ)」を設立するなど、敏感な意思決定が感じられます。

時田 必要なことは全て積極的にやっていく。それは何よりお客様のためです。富士通は日本企業のリファレンスになりたいと思っていますし、そこから世界へ発信できるようなものを生み出したい。課題先進国・日本の企業の責務として、積極的に自ら実践する姿勢を持ち続けたいと思っています。