社会課題を解決する企業へ

5年後に、会社はどのように変わっていると思われますか。今後の展望をお聞かせください。

ギルソン いくつかの分野でシェアを拡大したいと考えています。現段階ではエレクトロニクスと半導体、モビリティを有力視しています。モビリティには航空、宇宙、自動車業界が含まれますが、当社の軽量かつ優れた製品やソリューションはマーケットで高く評価されるでしょう。ヘルスケアやライフサイエンスの分野にも着目しています。機能性食品材料や長期保存用材料、そして製薬も大きなマーケットとして捉えています。製薬事業は研究開発に時間がかかることもあって短期間での成長は困難です。

 特に当社の場合は、事業のほとんどが国内にあり、米国で多少事業を展開しているとはいえ、まだ規模が小さい状態です。現在の規模から20%の成長を目指せると考えていますが、そのためには利益率の改善が必要になるでしょう。

■ 三菱ケミカルホールディングスグループの市場の成長性、競争力、サステナビリティにフォーカスしたポートフォリオ
■ 三菱ケミカルホールディングスグループの市場の成長性、競争力、サステナビリティにフォーカスしたポートフォリオ
カーボンニュートラルや競争力という観点から、エレクトロニクス、ヘルスケア&ライフサイエンス、モビリティなどを最重要戦略市場に位置付ける。車載用電池材料や半導体材料、ワクチンなど、成長が見込まれる市場に注力する。その他にもケミカルやフィルム、ポリマーなど機能性素材事業なども加えたポートフォリオにより、持続的な成長を目指す
(出所:三菱ケミカルホールディングス)
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 産業ガス事業は今のところ現状の枠組みから変えることはなく、業績の改善を求めているところですが、石化・炭素事業やノンコア機能商品事業に関しては、再編を検討していきます。

 グローバル展開における各地域の配分は日本が30%、米国と欧州がそれぞれ30%、アジア太平洋地域が10%程度と考えます。グローバル企業として、このくらいの配分が適切でしょう。特に注力したい目標としては、化学企業としてグローバルでのトップ10に入り、高い成長率と高い利益率を実現できる世界のトッププレーヤーとなり、日本ではナンバーワンになることです。社会から高く評価される企業には若くて優秀な人材が集まります。日本だけでなくアジア太平洋、欧州、米国など、全ての地域で優れた人材を獲得できるようになります。そういった人材に、より満足できるキャリアや快適な職場環境を提供できるよう、制度などを整えていきます。

 20年発表の「KAITEKI Vision30」の中で、気候変動や水質汚染、海洋プラスチック問題など様々な社会課題と向き合うことを発表しました。当社が生み出す製品は、これらの課題解決に必ず役立ちます。このビジョンは、自社の事業が社会に貢献していることを社員が改めて実感できる機会となり、業務に対しての目的意識を育んでくれると信じています。