聞き手/小林 暢子(日経BP 総合研究所主席研究員)

2021年10月に発表した「新中期戦略」でESG経営を柱の1つに据え、脱炭素への取り組みを加速する。お客様やパートナー企業と「カボニュー」活動を推進するためのプラットフォーム構築にも乗り出す。

新たなブランドスローガン「あなたと世界を変えていく。」に込めた思いを聞かせてください。

南 俊行(みなみ・としゆき)
南 俊行(みなみ・としゆき)
NTTドコモ 常務執行役員 サステナビリティ推進担当
1958年兵庫県生まれ。82年東京大学法学部卒、郵政省(現総務省)入省。政策統括官、情報流通行政局長、内閣官房内閣審議官を経て2019年東京海上日動火災保険顧問に就任。20年より現職(写真:吉澤 咲子)

南 俊行 氏(以下、敬称略) NTTドコモは2022年7月にNTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアを統合し新グループとして始動します。それに伴い、事業領域も従来のモバイルからモノのインターネット(IoT)などのサービス・ソリューションに広がります。新スローガンにはNTTドコモグループがお客様、パートナー企業など様々なステークホルダーとの連携で画期的なサービス・ソリューションを生み出し、新たな世界の実現に挑んでいく決意を込めました。

21年10月に発表した「新ドコモグループ中期戦略」でESG経営を柱の1つに据えました。どのような取り組みを進めますか。

中期戦略では事業運営とESGを一体的に推進し、サステナブルな社会の創造に貢献する方針を打ち出しています。ドコモは以前からデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じた社会的課題の解決を目指し、5Gを使った遠隔医療などを手掛けてきました。ダイバーシティ推進やワークスタイル変革にも力を注いでいます。こうした取り組みは一層強化します。加えて、今後は脱炭素への取り組みを加速します。

 大胆な推計ですが、国内で使われている約1億8000万台の携帯電話端末から排出されるCO₂量は自動車1000万台分に相当します。NTTグループは日本の電力の1%を消費する存在で、脱炭素は我々の社会的責務です。新時代の成長のエンジンとも捉え積極的に取り組みます。

21年9月には「3 0年カーボンニュートラル宣言」を発表しました。

21年2月、30年度までに温室効果ガス排出量を18年度比50%削減する目標を策定し、SBT(ScienceBased Targets)認定を取得しましたが、国内外の環境変化を受け半年ほどで目標を前倒ししました。

 その際、現段階で考え得る脱炭素の施策をパッケージとして示しました。目玉はサービス提供に使う電力を100%再生可能エネルギーとする「グリーン5G」です。現在、5Gのユーザー数は約1000万人以上と全体の十数%ですが、今後増加するのに合わせて再エネ割合も上昇させます。

 今後は社会と対話しながら脱炭素の活動を進めるためのプラットフォーム整備にも着手します。お客様やパートナー企業と一体となりカーボンニュートラルに取り組む活動を「カボニュー」と名付け、シンボルマークを作りました。脱炭素への貢献を見える化し、楽しみながら参加できるプラットフォームを目指します。

■ NTTドコモによる脱炭素を進めるためのプラットフォーム構想図
■ NTTドコモによる脱炭素を進めるためのプラットフォーム構想図
NTTドコモは21年9月に「30年カーボンニュートラル宣言」を発表した。カーボンニュートラルに取り組む活動を「カボニュー」と名付け、「ドコモでんきグリーン」「グリーン5G」など現段階で考えられる社会全体の脱炭素に向けた取り組みで構成する
(出所:NTT ドコモ)