聞き手/酒井 耕一(日経ESG発行人)

「インフラ・メンテナンス」「防災・減災」「環境」「資源・エネルギー」の4事業を展開する。サステナブル経営を基本方針に、社会価値・環境価値・顧客価値の最大化を目指す。

いずれも専門性の高い事業を4つのセグメントに分けています。それぞれの位置づけを教えてください。

成田 賢 氏(以下、敬称略) 当社は地球科学のエキスパートとして、顧客ニーズに応じるという観点から「インフラ・メンテナンス」「防災・減災」「環境」「資源・エネルギー」の4つのセグメントで事業を展開しています。

 例えば災害廃棄物処理支援サービスは、災害を想定して廃棄物の量を算出し、仮置き場や運搬ルートの確保を計画します。インフラと災害がかかわるこの問題には、廃棄物が環境にどんな影響を与えるか、さらに廃棄物をいかに資源として再活用するかというように、4つのセグメントが互いに関連しています。

 そのベースにあるのが地球科学です。我々は人と自然が調和した豊かで安心な社会をつくることを目指しています。

災害・環境調査で信用を築く

早くから災害や環境問題に取り組んできました。

成田 賢(なりた・まさる)
成田 賢(なりた・まさる)
応用地質 代表取締役社長
1979年 応用地質入社。2002年執行役員、04年取締役常務執行役員、05年取締役専務執行役員業務統轄本部長、07年取締役副社長、09年より現職(写真:村田 和聡)

成田 1964年の新潟地震では、独自に調査隊を派遣し、その結果を公表しています。2004年のインドネシア西部のスマトラ島沖地震でも調査団を送り、インドネシア軍の協力を得ながら被害状況を調査・公表しました。瀬戸内海にある香川県・豊島(てしま)の不法投棄問題にも業界に先駆けて取り組んできました。しかし、守秘義務がありましたので当時は公表せず、お客様中心でやってきました。そうすることで会社の信用を築いてきたわけです。

中期経営計画「OYO Advance 2023」では、ESG経営とSDGs達成を打ち出し、社会価値・環境価値・顧客価値の3つの価値の最大化を目指すとしています。

成田 応用地質の原点は理学と工学の融合にあり、理学の社会実装をテーマとして取り組んできました。必要な機器も自社で開発しました。高度成長期は公共の要望にそって技術開発し、仕事を進めていればよかったのです。しかし、今はそんな時代ではありません。自ら“売り物”を打ち出していこうということで、4つのセグメントを明確化しました。

 守秘義務についても、情報公開法が成立してからはその意味合いが変わってきました。何もかも秘密というわけではなくなり、今は積極的な情報開示に取り組んでいます。ステークホルダーの皆様には、当社のことをより理解してもらうことが大切です。理解を深めることは、企業としての社会貢献につながるのではないかと考えています。

 社会価値の実現とは、社会にとって必要な会社として広く認識してもらうことです。例えば地震が発生した時、「あっ、応用地質の力を借りよう」とイメージしてもらえれば、当社の社会価値は高まります。環境改善や環境保全に貢献していて、お客様に役立つ会社だと認識してもらえるようになれば、それは顧客価値につながっていくでしょう。