経営の中で、ESGの取り組みをどのように位置づけていますか。

角田 14年に制定した企業理念の中に、「5つの約束」があり、ESGを強く意識した内容になっています。その2番目に「共に働く人への約束」があります。社員と家族を大切にしなければなりませんし、差別的な扱いがあっては安心して働けません。そして、それは5番目の「社会への約束」につながります。企業理念は社員への押しつけになってはいけないので、20人ほどのプロジェクトチームを作り、社員からアンケートを採るところから始めて1年近くかけて作り上げました。

■ 社員の行動の判断基準となる企業理念
■ 社員の行動の判断基準となる企業理念
出所:白銅
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2020年、ESG経営委員会(2021年、ESG/SDGs経営委員会に改称)を設置し、その下に9つの分科会を設けました。

角田 ESG/SDGsの考え方を会社に根づかせて、よい会社に投資していると株主に言ってもらえる会社にしようとの思いです。経営会議の下に、部長を加えたESG/SDGs経営委員会、さらに数人の課長を交えて分科会を設けました。分科会の「製造業務改善」は工場での産業廃棄物削減、「従業員とのエンゲージメント」は離職率低減など数値目標を立て達成状況を確認しています。

「ECOシリーズ」材料を拡販

ESGの取り組みの具体例を教えてください。

角田 会社で使う電力の自然エネルギーへの切り替えを検討中で、産学共同での開発も進めていきます。女性管理職や外国人の採用の拡大にも取り組んでいます。

 地域社会への貢献では、当社の工場がある神奈川県厚木市、福島県郡山市、佐賀県鳥栖市、滋賀県日野町などの各自治体に、コロナ禍の医療従事者に向けた寄付を行いました。大田区の「下町ボブスレープロジェクト」にスポンサーとして資金と材料を提供、50cc/125ccのバイクで世界最速を競う「スーパーミニマムチャレンジ」にも資材・資金面でサポートしています。

 事業面では、鉛などの環境汚染物質が入らず、環境にやさしい材料を「ECOシリーズ」としてラインアップしました。現在、約300アイテムありますが、販売数量の年25%拡大を目標にしています。

今後ESG活動を進めていくために、どのような点に注力していきますか。

角田 3カ月に1回発行している顧客向けの「新白銅通信」にESG/SDGsの取り組みを盛り込んで、発信していきます。それを通して取引先の大半を占める中小企業に、ESG/SDGsについて考えてもらえるようにしていきます。