20年12月に「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」提言に署名しました。21年5月13日には「2050年カーボンネットゼロ」を宣言しました。

桐山 本音を言いますと、本気で取り組む姿勢を示すために、TCFD署名とカーボンネットゼロ宣言の発表を一緒にやりたかったんです。

 カーボンネットゼロ宣言を実現するには、財務の裏付けが必要です。21年1年かけて、TCFDにおけるシナリオ分析を基に50年度までのロードマップを策定します。22年度に財務と非財務を融合させた第7次連結中期経営計画を策定します。そこにロードマップを落とし込み、23年度に第7次中計をスタートさせます。

■コスモエネルギーグループのカーボンネットゼロ宣言
■コスモエネルギーグループのカーボンネットゼロ宣言
出所:コスモエネルギーホールディングス
[クリックすると拡大した画像が開きます]

自治体がグリーン電力に強い関心

20年10月に販売を開始した法人向け電力小売商品、「コスモでんきビジネス」と「コスモでんきビジネスグリーン」の状況を聞かせてください。

桐山 電力小売りの事業は、他社に比べて周回遅れという印象があったのですが、グリーン電力の引き合いがとても多くきています。使用電力を100%再エネで賄うRE100を志向する企業や、自治体からの問い合わせが多い。特に県や市町村など自治体がグリーン電力に強い関心を持っているようです。

 この商品はコスモ石油マーケティングが販売する、実質CO2フリー電力です。非化石証書などを活用するとともに、コスモエコパワーが手掛ける風力発電の電力も使います。

 先ほどお話ししたすべての直営SSで切り替える実質再生可能エネルギー電力も、「コスモでんきビジネスグリーン」のスキームを活用したものです。

S(社会)やG(ガバナンス)ではどんな取り組みをしていますか。

桐山 ダイバーシティに関して言うと、女性活躍への取り組みで20年の「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」の構成銘柄に選定されました。高い水準での子育てサポート企業として厚生労働省の「プラチナくるみん」企業にも認定されています。

 21年のトピックとしては、人事制度の見直しがあります。私たちのような製造業では、配偶者手当や子供手当といったかつての概念が残っていることが少なくありません。しかし考えみると、家族のかたちは多様ですし仕事とは関係のないところで手当が付くのはフェアとは言えません。

 労働組合と議論を重ねた末に、これらの諸手当を撤廃することで合意し、本年度下半期から新しい人事制度を実施することになりました。決してコスト削減策ではありません。諸手当に代わる額を基本給に乗せるので、総額は変わりません。