聞き手/酒井 耕一(日経ESG発行人)

兵庫県の淡路島を起点に多様な人材を発掘・採用し、それぞれが活躍する地方創生を推進する。メタバース(仮想空間)、メディカルの分野にも参入し、新たな課題解決に挑戦する。

本社機能の一部を東京から兵庫県の淡路島に移し、2022年4月にも入社式を開催しました。式では個人の役割についてお話しされました。

南部 靖之(なんぶ・やすゆき)
南部 靖之(なんぶ・やすゆき)
パソナグループ 代表取締役グループ代表
1952年生まれ、兵庫県出身。76年、関西大学工学 部を卒業する1カ月前に人材派遣会社テンポラリーセンター(現パソナグループ)を設立。2007年より現職(写真:村田 和聡)

南部 靖之 氏(以下、敬称略) 新入社員に向けて、「3つのお祝いをしたい」と話しました。社会人としてリーダーになるチャンスを得たこと、社会貢献ができるチャンスを得たこと、そして雇用創出のチャレンジができることです。

 彼ら彼女らには、知識のある賢い人間になるよりも、深みのある人間になってもらいたい。社会全体が喜ぶような志を持ってほしい。志を持った者には天が力を与えてくれる。そうした人材が集まれば、地方創生が可能になります。これまでの地方創生は工場の誘致が最優先だったかもしれませんが、これからは人材誘致が重要になると考えています。

淡路島では社内業務にとどまらず、レストランやアミューズメント施設など様々な事業を展開しています。22年4月竣工の「禅坊靖寧(ぜんぼうせいねい)」について教えてください。

南部 禅体験やヨガができる宿泊施設です。10年計画でようやく実現しました。淡路島の自然の景観を損なわないよう、建築家の坂茂氏に「山の尾根より下に建ててほしい」と設計をお願いしました。健康がテーマで、食事は朝がゆ、昼は豆腐、夜はこんにゃく料理を提供します。

 私の実家の近くに浄土宗総本山知恩院の末寺があり、中学から高校、大学時代にそこで多くのことを学びました。社会の問題を解決するという当社の企業理念には、学生時代にお寺で学んだことが生きています。

 生きていく上で大切なのは、心を磨き、心の安定や安らぎを得ることです。「禅坊靖寧」は、これからのパソナグループの象徴になる施設です。多くの人に禅やヨガを体験してもらいたいと思います。

■ パソナグループは入社式を淡路島で開催
2022年4月1日に淡路島で行なわれた入社式。266人の新入社員が一堂に会した<br><span class="fontSizeS">(写真:村田 和聡)</span>
2022年4月1日に淡路島で行なわれた入社式。266人の新入社員が一堂に会した
(写真:村田 和聡)
入社式で新入社員一人ひとりに辞令を授与する南部靖之代表
入社式で新入社員一人ひとりに辞令を授与する南部靖之代表
■ 淡路島で禅体験ができる「禅坊靖寧」
■ 淡路島で禅体験ができる「禅坊靖寧」
今春竣工した「禅坊靖寧」は禅やヨガ体験や四季折々の禅坊料理が楽しめ、露天風呂などもある宿泊施設
(写真提供:パソナグループ)