聞き手/斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

自治体や商業施設と提携し、水道直結式のサーバー型浄水器「ウォータースタンド」事業の拡大を図る。水筒を持ち歩き給水する生活スタイルに転換することで、年間30億本のペットボトル削減を目指す。

本多 均(ほんだ・ひとし)
本多 均(ほんだ・ひとし)
ウォータースタンド 代表取締役社長
1954年4月東京生まれ、77年中央大学文学部卒業。大学卒業後は東京証券に入社。翌年、赤木屋証券に移り、史上最年少の23歳で投資アドバイザーとなる。その後、代議士秘書などを経てジャスト(現ウォータースタンド)に入社。91年より現職 (写真:大槻 純一)

水道直結式のサーバー型浄水器「ウォータースタンド」の設置拡大を推進しています。

本多 均 氏(以下、敬称略) ウォータースタンドは定額のレンタル料金で、安全かつおいしい水を提供します。消費者が水筒を持ち歩き、街中に設置されたウォータースタンドで給水するという生活スタイルに転換すれば、のどが渇いた時にボトル飲料水を買う必要がなくなります。

 国内で出荷される飲料用ペットボトルは年間約250億本です。私たちはウォータースタンドの設置拡大によって、2030年までに30億本のペットボトル削減を目指しています。

給水スポット1万カ所を目指す

進捗状況を教えてください。

本多 19年以降、全国の営業所にショールームを併設し始めました。ショッピングモールなどにも出店し、その数は約60カ所に上ります。ショールームではマイクロプラスチックや気候変動に関する情報を提供し、来店した方たちの環境問題への理解を深めながらウォータースタンドの利用拡大を図っています。

■地方自治体との協定締結実績
■地方自治体との協定締結実績
※2021年5月現在

 全国にパートナーをつくる戦略も進めています。相手先の1つは行政です。本社のあるさいたま市を皮切りに京都市、神奈川県葉山町など15の自治体と協定を結び、小中学校や公共施設向けにウォータースタンドを無償提供しています。ウォータースタンドが給水スポットの役割を果たすことで、水筒を携帯する人を増やすのが狙いです。

 ペットボトルの使用量が減れば使用済みボトルの回収・運搬・処理作業が減り、CO2も行政コストも削減できます。提携自治体は今後もどんどん増える見込みです。

 流通業とも積極的に連携を図っています。某小売りチェーンでは、20年から全国460店舗でウォータースタンドを利用していただいています。今後はスーパーや衣料品店などと手を組み、全国に1万カ所の給水スポットを作ろうと動いています。

企業からはどのような反応がありますか。

本多 菅政権が「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、ESGに取り組む企業はCO2削減の加速を迫られています。ペットボトルは製造からリサイクルまでの過程で、CO2を排出します。CO2を減らすには、リデュースしかありません。

 ある大手企業では、売り上げの25%を占めていたミネラルウォーターを自動販売機から外し、代わりにウォータースタンドを設置することでペットボトルを減らす取り組みを始めました。

 今後、導入を進めたいのがホテルです。共有スペースにウォータースタンドを設置すれば、客室の冷蔵庫にペットボトル入りのミネラルウォーターを常備する必要がなくなります。21年6~7月に東京、大阪、名古屋に法人営業部を構え、こうした企業にアプローチしていきます。

左/藤沢市の市営施設に設置されたウォータースタンド<br>右/兵庫県西宮市・尼崎市とのオンラインによる協定締結式<br><span class="fontSizeS">(出所:ウォータースタンド)</span>
左/藤沢市の市営施設に設置されたウォータースタンド<br>右/兵庫県西宮市・尼崎市とのオンラインによる協定締結式<br><span class="fontSizeS">(出所:ウォータースタンド)</span>
左/藤沢市の市営施設に設置されたウォータースタンド
右/兵庫県西宮市・尼崎市とのオンラインによる協定締結式
(出所:ウォータースタンド)