聞き手/大塚 葉(日経BP 総合研究所上席研究員)

「社会を支えるプラットフォーマー」になるというビジョンに向け、中期経営戦略を策定した。DXを中心に事業戦略を推進するため、人材育成を強化して組織力を最大化する。

サステナビリティ経営を新中期経営戦略の柱にしました。

最勝寺 奈苗(さいしょうじ・ななえ)
最勝寺 奈苗(さいしょうじ・ななえ)
KDDI 執行役員 コーポレート統括本部 副統括本部長 兼 サステナビリティ経営推進本部長
1988年第二電電入社(現KDDI)。2003年KDDI渉外・広報本部IR室長、11年経営管理本部 財務・経理部長、14年理事 経営管理本部 財務・経理部長などを経て、20年執行役員 経営管理本部長に就任。22年より現職(写真:吉澤 咲子)

最勝寺 奈苗 氏(以下、敬称略) 2022年5月に「KDDI VISION2030」と「中期経営戦略」を発表しました。当社は企業理念に「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します」と、社会課題の解決をうたっています。

 事業戦略の推進と経営基盤の強化という中期経営戦略を支えるのがサステナビリティ経営の考え方で、パートナーとともに社会の持続的成長と企業価値の向上を目指します。

 コロナ禍で社会のあらゆる領域でデジタル化が進み、働き方や企業活動も大きく変わろうとしています。通信事業会社の果たす役割は大きいと感じています。5Gを中核に据えた事業変革を推進し、30年に「社会を支えるプラットフォーマー」になるというビジョンを実現したいと考えています。

中期経営戦略で、重要課題を策定しました。通信事業会社としての具体的な施策を教えてください。

最勝寺 新しく策定した重要課題(マテリアリティ)は、6つあります(下の図、右側)。このうち「カーボンニュートラルの実現」については、通信サービスを提供することで業務の効率化や社会の活性化に取り組み、社会全体のCO₂排出削減に貢献できると考えています。

 自社の電力消費による負荷低減については、省エネ施策と再生可能エネルギーの技術革新を通じて、従来の目標を大幅に前倒しし、30年度までにCO₂排出実質ゼロを目指します。「TELEHOUSE」のブランド名でグローバル展開するデータセンターは、いち早く26年度のカーボンニュートラルを目指しています。

 21年11月には、気候変動問題に取り組むスタートアップ企業を支援するため、5年間で50億円を投資する「KDDI Green Partners Fund」を立ち上げました。第1号の出資企業とは携帯電話基地局の再エネ発電の実証実験を予定しており、将来的には基地局に導入したいと考えています。

■ KDDIの中期経営戦略の概要
■ KDDIの中期経営戦略の概要
出所:KDDI