聞き手/飯村 かおり(日経ESG経営フォーラム事業部次長)

独自のナノ密着技術をベースにした塗料で抗菌、防錆(ぼうせい)、遮熱を実現する。社員は100人までと決めて家族のような会社をつくり、社会に役立つ事業を目指す。

2022年4月、6つの重点目標を定めたSDGs宣言を出しました。

菱木 貞夫(ひしき・さだお)
菱木 貞夫(ひしき・さだお)
染めQテクノロジィ 代表取締役
1968年慶應義塾大学卒業。72年自動車用塗料メーカー起業。以降、不動産業、レストラン業、輸出入業に進出。85年米国などでデベロッパー事業を展開、92年事業を売却・閉鎖。2002年ナノテクノロジー「染めQ」の開発に成功し、現在の染めQテクノロジィを設立(写真:高田 浩行)

菱木 貞夫 氏(以下、敬称略) 当社はSDGsという表現が生まれる前から、「ヒトの生命を守り-あらゆるモノの再生・延命化も」をコーポレートスローガンに掲げ、この理念を追求してきました。

 独自のナノ密着技術をベースに、菌やウイルスの増殖を抑える抗菌剤を噴霧して感染対策をする。あるいは吸熱・放熱物質を含んだ冷感スプレーをアンダーシャツに吹き付け、熱中症対策とする。老朽化が深刻な問題になっている橋やトンネルなどの社会インフラ、建物、設備の防錆を行ない、経年劣化を抑える。

 全てにおいて大切にしているのは人の命です。「人の役に立ちたい、世の中の役に立ちたい」という思いから、人の困っていることを解決しようと考えて事業を展開してきました。

コロナ禍で、十数年前に開発した抗菌剤がヒットしたそうですね。

菱木 鳥インフルエンザや豚インフルエンザが流行するのを見て、いずれは人間に影響が及ぶだろうと考えて抗菌剤を開発しました。しかし、当時は思うように売れず、倉庫で在庫の山になっていました。その製品を覚えていたある商社の担当者が連絡をくださったのです。それがきっかけで売れ始めました。

 21年には東京ヤクルトスワローズのクラブハウスなどに、抗菌剤を噴霧する「抗菌Qゲート」が設置されました。施工も含めて提供する抗菌ソリューションの一例です。

 「防錆・補強ソリューション」の代表としては、独自の塗料による海辺の橋脚の防錆、製鉄所の老朽化設備の補強があります。床のひび割れを平滑にして補強・滑り止めを行なう防滑仕上げもできます。

 「遮熱ソリューション」としては、茨城県五霞町の道の駅の屋根に遮熱塗料を施したのが一例です。当社の本社ビルも、屋根と窓ガラスを遮熱の塗膜で保護しています。窓の外の景色がゆがんで見えないのが、当社の遮熱塗膜施工の特徴です。

■ 染めQテクノロジィの3つのソリューション
製鉄所の鉄骨階段の防錆施工前と施工後。独自の工法により、劣化・欠損した部分を補修・補強する
製鉄所の鉄骨階段の防錆施工前と施工後。独自の工法により、劣化・欠損した部分を補修・補強する
■ 染めQテクノロジィの3つのソリューション
上/専用噴霧器による抗菌施工は、抗菌効果が長期間持続する<br>左/「抗菌Qゲート」は、室内に菌やウイルスを持ち込むリスクを軽減する
上/専用噴霧器による抗菌施工は、抗菌効果が長期間持続する
左/「抗菌Qゲート」は、室内に菌やウイルスを持ち込むリスクを軽減する
遮熱塗膜の施工サービス「遮熱WI NDOW」では、窓ガラス上部から塗料を流す独自の施工技術を使う。遮熱の塗膜が均一に密着するために、外の景色がゆがんで見えない<br><span class="fontSizeS">(出所:染めQテクノロジィ)</span>
遮熱塗膜の施工サービス「遮熱WI NDOW」では、窓ガラス上部から塗料を流す独自の施工技術を使う。遮熱の塗膜が均一に密着するために、外の景色がゆがんで見えない
(出所:染めQテクノロジィ)