聞き手/藤井 省吾(日経BP 総合研究所主席研究員)

官民連携を進め、自治体向けの公共施設マネジメントと包括管理で成長を続ける。施設管理を切り口にESG課題を特定し、エネルギー問題などの課題解決に貢献していく。

民間のビルから公共施設まで、幅広く施設管理を行なっています。

若松 雅弘(わかまつ・まさひろ)
若松 雅弘(わかまつ・まさひろ)
日本管財 常務取締役営業統轄本部長
1985年日本管財入社、2014年取締役業務統轄本部技術・購買担当 兼 エンジニアリングマネジメント本部長、18年常務取締役 営業統轄本部本部長代理 兼 東日本・中部担当、21年NSコーポレーション代表取締役社長(現任)、22年より現職(写真:大槻 純一)

若松 雅弘 氏(以下、敬称略) オフィスビル、病院、ホテル、公共施設において上下水道、ごみ処理場から斎場まで、多岐にわたる分野の施設を管理しています。日本管財という社名には、1965年に創業した福田武会長の「お客様の大切な資産・財産である建物をいつまでも健康で安心して使えるように管理する」という思いが込められています。

 ビルの管理や運営、メンテナンスを行なう企業はゼネコンや鉄道会社の関連会社が多いのですが、当社は独立系の企業です。社会状況の変化を捉え、臨機応変に挑戦してきたことが今につながっています。

PPP(官民パートナーシップ)で成長しています。

若松 99年のPFI(民間資金を活用した社会資本整備)法施行を機に、公共施設の建設、維持管理、運営を民間企業の資金と経営、技術を活用して行なう官民連携について、万全の体制を整えました。

 不動産の証券化やコンサルティング、アセットやプロパティ・マネジメントなど、全方位でサービスを提供できることもPPPの事業に生かされています。公共施設の老朽化や自治体の財政破綻が顕在化した際に、自治体向けのコンサルティングを提供できたことで、包括管理の業務を広げることができました。

地域の社会インフラを守る目的で、「公共施設マネジメント」と「包括管理」を提案しています。

若松 全国の市町村数は平成の大合併で約1700まで減りましたが、公共施設の統廃合は進まず、住民一人当たりの面積は増えています。少子高齢化や人口減少が進む中で、老朽化した公共施設を削減していくのか、そのまま運用を続けるのか、あるいは全ての施設を修繕するのかという、大きく3つのシナリオが予測されます。

 自治体の多くは財政難です。学校や公民館、体育施設など多数の公共施設を適切に管理し、安定した財政運営を持続するため、総合的かつ包括的な企画管理と利活用を行なうのが公共施設マネジメントです。現在、全国28自治体が公共施設の包括管理を外部委託しており、当社はそのうち13自治体と契約しています。

 公共施設を総合的に管理するには自治体が保有する情報の集約が不可欠ですが、大半の自治体は情報をデータベース化できていません。システム開発を担うエンジニア系の職員が不足しているのが理由の1つです。当社はIT(情報技術)を活用して、公共施設全ての建築データから予算の執行状況、管理計画までを集約して見える化することができる「NKConnect」というシステムを構築し、自治体に提案しています。

■ 日本管財のESGの取り組み
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出所:日本管財
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