山内 カタクチイワシなど天然資源由来の魚粉を原料とする水産飼料を大豆タンパクなどで代替し、低魚粉飼料、無魚粉飼料を作る研究も進めています。植物性タンパク質は動物性に比べて魚の成長スピードが遅く、コスト高になりがちです。その欠点を克服した飼料の実現に向けて、現在、当社の水産研究所で開発に取り組んでいます。

■食品製造・加工時の副産物や食品ロスの有効利用による循環型社会の実現
■食品製造・加工時の副産物や食品ロスの有効利用による循環型社会の実現
出所:フィード・ワン

ESG経営への意識はどのように社内に浸透させていますか。

山内 21年2月にESG委員会を設立しました。各事業部から選ばれた委員が定期的に会議を開き、ESGやSDGsに関わる取り組みの進捗を報告しています。

 6月には全社員を対象とする「私のSDGs宣言」プロジェクトをスタートさせました。普段の生活の中でSDGsを意識した行動を宣言・実行することで、SDGsを自分ごとと捉えてもらおうというのが狙いです。私自身も、「犬の散歩中に公園でゴミを拾う」「着なくなった洋服はリサイクルする」という2つを実行しています。

ESG経営の課題をどうとらえていますか。

山内 ESG経営はトップの強い意志と、社員一人ひとりの理解とが両輪となって進むものです。引き続き全社員に、「自然に依存した企業の責務としてESG経営を推進する」という私の考えが明確に伝わるよう、メッセージを発信していきます。

 BtoB事業で世間では認知度が低い当社の取り組みを、ステークホルダーやマーケットから評価・支持していただくことも今後の課題です。

 農林水産省が食品産業のSDGsへの取り組みを紹介するホームページで当社の取り組みが写真入りで紹介されるなど、活動は徐々に認知され始めています。今後もIRを一層強化して、PRに努めていきます。

 生産者の方々にESGへの理解を深めていただくことも重要です。鍵となるのは、やはり研究開発です。メタンガスを多く含み地球温暖化につながる牛のげっぷを減らす飼料の研究開発にも取り組んでいきます。げっぷの原因となる微生物の働きを抑えつつ牛の生産性にも影響しない飼料を開発し、環境負荷低減と効率の両立を実現していくつもりです。