環境調和製品を増やしていく仕組みについて教えてください。

宮本 現在、25年に向けた新中期経営計画を作成中です。財務目標に加えて新たに非財務のサステナビリティ指標をつくり、環境調和製品の比率を検討していきます。環境調和型製品の取り組みを加速することによって、私たちがバリューチェーンの中で環境問題の解決に貢献する姿勢を示していきたいと考えています。

 収益機会という観点でいえば、30年に向けた価値創造プロセスが重要です。古河電工としては情報通信ソリューション、エネルギーインフラ、自動車部品の3分野に注力し、資本効率を意識した事業の強化によって収益を安定させます。

 もう1つの流れは、多様なステークホルダーとパートナーシップを形成して、新しいビジネスモデルを構築することです。これからは自前主義ではやっていけません。新しいエコシステムをつくり、単なるモノづくりではなく、コトづくり事業を進めることで、社会課題解決型事業の創出による成長を目指します。

■2030年に向けた価値創造プロセス
■2030年に向けた価値創造プロセス
出所:古河電気工業

資本効率重視へ新指標

新しいビジネスモデルとして、バイポーラ型蓄電池など興味深い技術があります。

宮本 風力発電も太陽光発電も、キーとなるのは蓄電池です。リチウムイオン電池と比べてコスト面、安全面、リサイクル面で優れた蓄電池の開発に成功しました。21年度中にサンプル出荷する予定です。

 家畜のふん尿から液化石油ガス(LPG)を創出する技術では、北海道大学などと組んでいます。

コトづくり事業で社会課題解決力が高まり、それによって資本効率が高まるという好循環が生まれそうです。

宮本 その通りです。社会課題解決はコトづくり事業で進めていきます。

 どんな事業にしても、基本となるのは資本効率です。25年新中計では、ROIC(投下資本利益率)を新指標、FVA(投下資本付加価値額)を社内管理指標として取り入れ、資本効率重視経営を強化します。21年3月にソーシャルデザイン統括部を設置し、その中に新事業創出部を新設しました。こうした取り組みにより、価値創造プロセスを高めます。