「人権報告書」を発行

サステナビリティ戦略として「3つの基盤」を掲げています。

山下 JTグループのサステナビリティ戦略は、私たちが社会と共に持続的に成長するために取り組むべきマテリアリティを特定した上で策定しました。2015年にマテリアリティを特定する際、社内の課題とステークホルダーの期待をマトリクスにして22項目を選びました。

 その中で、どうしてもやらなければならないものとして、「人権の尊重」「環境負荷の軽減と社会的責任の発揮」「良質なガバナンスと事業規範の実行」を3つの基盤としました。それぞれの下に優先的に取り組む注力分野とKPI(重要業績評価指標)を定めています。

 人権の尊重は、特に重要なテーマと捉えています。16年にJTグループ人権方針を策定して、バリューチェーン全体で人権を尊重し、グローバルな事業活動を行う上で起こり得る人権リスクに対処するべく、取り組みを強化しています。PDCAサイクルを回し、人権デューデリジェンスを事業運営に取り込んでいます。

 21年6月、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」制定10周年に合わせて、JTグループとしては初となる「人権報告書」を発行しました。これまでの取り組みについて自信を持って開示できたと思っています。

■サステナビリティ戦略の3つの基盤
■サステナビリティ戦略の3つの基盤
サステナビリティ戦略を推進することにより、通常の事業サイクルに加え、その先の事業の持続性、地球の未来、そして私たちが暮らす社会についてより深く考えることにつなげる
(出所:日本たばこ産業)

「JTグループ環境計画2030」の進捗状況はいかがですか。

山下 19年に「JTグループ環境計画2030」として、「エネルギー・温室効果ガス」「自然資源」「廃棄物」の3つを重要な取り組み領域に選定し、それぞれに「目指す姿」と「目標」を設定しました。30年までに温室効果ガス排出量を32%削減(15年比)するという目標は、SBT(科学に整合する削減目標)として認定されています。

 国際的な環境評価NPOである英CDPの格付けでは、「気候変動」と「水セキュリティ」において、2年連続でAリストに選定されました。他社と比較して遜色ない取り組みであると考えています。

 廃棄物についてはプラスチックを含む容器包装材の使用量を削減し、25年までに88%、30年までに100%を再使用または再生利用可能な容器包装材にすることを目指します。

 環境計画2030で掲げたこれらの目標は、前倒しで達成できる見通しで順調に進捗しています。21年中に現計画を更新し、より強いコミットメントを出す予定です。