聞き手/斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

太陽光発電の自家消費へ向かう流れを読み、オンサイトおよびオフサイトの電源開発を進める。離れた場所から電力を自己託送する「オフサイトコーポレートPPA」を提案し、企業の脱炭素経営を支援する。

太陽光発電事業を進めていますが、あらためて主力事業について教えてください。

木下 公貴(きのした・まさたか)
エコスタイル 代表取締役 社長執行役員
福岡県出身。1995年神戸大学卒。証券会社、商品取引会社、損害保険会社などを経て、2008年に同僚とともにエコスタイルを設立し、現職に就任(写真:行友 重治)

木下 公貴 氏(以下、敬称略) 経営の基本方針として、「分散型太陽光発電による脱炭素ソリューション提供のリーディングカンパニーを達成」というビジョンを掲げています。

 それを実現するために、お客様の施設内に太陽光発電システムを設置するオンサイト電源開発事業、施設内ではなく遠隔地に設置するオフサイト電源開発事業を手がけています。オフサイト電源開発事業には、小売電気事業者向けの再生可能エネルギー電源開発と、需要家向けの再エネ電源開発があります。

 今後大きな伸びが予想されるのがオフサイトコーポレートPPA(電力購入契約)です。

 離れた土地に太陽光発電システムを設置して、発電した電気を送配電ネットワーク経由で需要施設に送る自己託送制度を活用するものです。小売電気事業者を介さず、需要家が直接、再エネを調達できるようになります。

 米国ではRE100宣言した企業が、競ってこのコーポレートPPAスキームで再エネ化を進めています。日本でも2021年3月に経済産業省・資源エネルギー庁がオフサイトコーポレートPPAを容認する姿勢を示しています。

 当社の電源開発事業では、太陽光発電所の土地収集、開発から施工、O&M(オペレーション&メンテナンス)までをワンストップで提供します。50MWほどの自社太陽光発電所で発電事業も行っていますので、そこで安定した収益を確保しながら、コーポレートPPAなどの開発事業を行っていきたいと考えています。

コーポレートPPAで発電事業者が電気を系統に流す際には、「計画値同時同量」が求められます。そこではどんな強みがありますか。

木下 計画値同時同量とは、365日にわたって太陽光発電量の30分ごとの計画値と実績値に誤差が生じないようにすることです。この誤差はインバランスと呼ばれ、ペナルティーの対象になります。今後、非FIT(固定価格買い取り制度)の下で太陽光発電という変動電源を普及させていくためには、この計画値同時同量を実現する技術がポイントになります。

 太陽をさえぎる雲の動きなどにより発電量の予測はなかなか難しいのですが、当社には長年の実績があります。当社の技術を用いた発電量予測サービスをお客様に提案し、安定した電力単価で再エネ電力の調達が行えるようにしています。

■ オンサイト自家消費型太陽光発電
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■ オフサイト自家消費型太陽光発電(自己託送)/コーポレートPPA
(出所:エコスタイル)
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