2021年度は250MWの施工を予定

09年に現在の商号「エコスタイル」に変更され、どのような思いで経営にあたってきましたか。経営理念を含めて教えてください。

木下 当社は09年から住宅用太陽光発電事業に取り組んでいます。当時から当社の使命は、「子供たちのため、次世代のために環境を守る義務と責任を遂行する」ことにあるとして、「子供たちの未来にエコ電力」をモットーに掲げてきました。

 経営理念には、「常にお客様にご満足いただける価値を追求し、広く社会と地球環境に貢献すると共に、全従業員の物心両面の豊かさを追求する」と定めています。お客様第一の姿勢を徹底していこう、自分たちが欲しいものをお客様に提供しようということを心がけてきました。

18年末に行った『日経ESG』インタビューで、“卒FIT”や買い取り価格の低下で太陽光発電の自家消費が大きな流れになるとお話しになっています。その自家消費の流れがコーポレートPPAということでしょうか。

木下 おっしゃる通りです。FITは再エネ賦課金という国民負担で成り立っている事業です。「太陽光発電が普及するまでの期間は、電力の買い取りにかかる費用は電気の使用者に負担してもらいましょう」という制度です。現在も毎月の電気料金に約3円/kWhの再エネ賦課金が含まれているのです。

 ところが、FIT買い取り単価が低減し、次第にFITに依存しない太陽光発電の普及が求められるようになっています。

 そこで当社は、非FITという形で、電力を小売電気事業者もしくは需要家に提供しています。

 20年10月、菅義偉首相が「2050年までに温室効果ガス実質ゼロ」を宣言しました。それが大きな節目となり、それまで様子見だった企業も脱炭素を目指して一斉に動き始めました。

全国に事業拠点を置き、太陽光発電開発施工実績も21年7月末時点で685.5MWになっています。

木下 21年度は250MWの施工を予定しています。当社は土地収集からスタートしますが、特徴は約1000m2の遊休地に太陽光発電設備を設置することに特化している点です。一例を挙げると、それらを1000件ほど集めて、90MWの分散型太陽光発電所としてお客様に納品します。

 メガソーラーをつくるには、1万5000m2ほどの用地が必要になります。しかしながら、国内の大きな平地はほぼ利用し尽くされています。今後、さらに用地を開発しようとすれば、山を切り崩したりすることになります。

 自然環境破壊につながり、自然災害を引き起こす要因にもなりかねません。それに対して、約1000m2ほどの遊休地なら、日本各地にまだ十分にあります。

 農林水産省も脱炭素社会の実現に向けて、耕作が行われていない荒廃農地に太陽光パネルを設置して発電する際の要件を、21年7月から緩和しました。

■ エコスタイルの事業拠点と開発施工実績
■ エコスタイルの事業拠点と開発施工実績
※電力エリア別実績

太陽光発電開発は北海道から九州まで全国の主要エリアに広がる。今年度は250MWの開発を予定する
[クリックすると拡大した画像が開きます]
■ 遊休地を利用したソーラーパネル
■ 遊休地を利用したソーラーパネル
約1000m2の遊休地に太陽光発電設備を設置し、それらを集めて90MWの分散型太陽光発電所をお客様に納品する。写真は和歌山県海南市に設置されたソーラーパネル(出所:エコスタイル)
[クリックすると拡大した画像が開きます]