聞き手/斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

中期経営計画にコロナ禍の影響が出たが、ESG推進が今後の成長のカギと見る。全社を挙げてESGに取り組み、1つひとつの課題にKPIを定めて解決していく。

中期経営計画では、グローバル・メジャーとしてトップブランドの基盤を確立する3カ年と位置付けていました。

髙山 靖司(たかやま・やすし)
髙山 靖司(たかやま・やすし)
三和ホールディングス 代表取締役社長 執行役員社長
2006年三和シヤッター工業入社。10年取締役常務執行役員、11年三和ホールディングス常務執行役員、12年取締役専務執行役員、16年執行役員副社長、17年代表取締役社長COO、20年より現職(写真:村田 和聡)

髙山 新型コロナウイルスの影響で中計を1年延長し、2021年度を最終年度にしました。日・米・欧で状況は違いますが、重点戦略・施策の遂行にコロナの影響が出ています。日本では主力商品のシャッターとドア以外の商品を伸ばす多品種化戦略と、今後の成長のカギとなるメンテナンス・サービスに影響が出ました。

 米国ではERP(統合基幹業務)システムの導入を進めていましたが、コロナ禍でスタッフの往来ができず、計画に遅れが出ています。M&Aで成長してきた欧州は、買収した企業を統合してシナジーを出すのが遅れています。雇用を維持しながらコストを見直し、キャッシュフローを管理する我慢の1年でした。

コロナの長期的な影響をどう見ていますか。

髙山 コロナ禍で経済が停滞し、瞬く間に需要が蒸発しました。その後は米国と中国の経済が急回復する中で、多くの原材料の需給が世界的にひっ迫しています。当社商品の主原料である鋼材は、かつてないほど価格が高騰しています。

 一方で、コロナ対応を機に国際社会が金融財政政策などでは協調しています。ここ数年、米国のトランプ政権誕生や英国のEU離脱など、世界が分断されているイメージがありましたが、この「分断から協調へ」の背景には、少なからずSDGsやESGの影響があるのではないでしょうか。こうした機運でSDGsやESGの流れがさらに加速し、世界が協力して人類共通の課題に対処しようとしていると感じます。

ESGの取り組みについて教えてください。

髙山 従来のESGマテリアリティの見直しを実施し、「ものづくり」「環境」「人」の3分野および「グループの経営基盤」で11のESGマテリアリティに特定し直し、21年5月に発表しました。脱炭素では30年度に向けて、中核事業会社の三和シヤッター工業でCO2排出量を20年度比で30%削減します。

■新しいESGマテリアリティ
■新しいESGマテリアリティ
出所:三和ホールディングス