聞き手/斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

災害対応のための耐風圧や防水機能でシャッターに注目が集まっている。商品の提供のみならず、有事の対応や復旧も含めたメンテナンス事業にも注力する。

台風の大型化や洪水被害など、災害が激甚化しています。建材メーカーとしてどのように対応していますか。

髙山 盟司 氏(以下、敬称略) 主力製品であるシャッターは人々の暮らしを守るために作られてきましたが、従来の防犯、防火の役割だけではなく、自然災害に対応する防災の機能が求められています。これまで集中豪雨や洪水など水害に対応する防水シャッターや防水ドアの開発、販売を2014年から進めてきました。20年7月には台風による強風や飛来物を防ぐため、従来品より大きく耐風圧性能を高め、防災設備として機能する窓シャッター「マドモア耐風ガード」を新発売しました。

 20年6月に、国土交通省と経済産業省が「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」を示したこともあり、病院やマンション、オフィスなどを中心に電気室・機械室に防水ドアや防水板をつけてほしいという依頼が増えています。19年に防水シャッターやドアはJIS制定で性能基準が明確化され、当社は業界でトップレベルの性能評価を受けていますので、災害対応と切り離せない商品の受注、売り上げが増えています。

暮らしの安全性に貢献

ESG経営の観点から、防災事業にどのように取り組んでいますか。

髙山 盟司(たかやま・めいじ)
三和シヤッター工業 代表取締役社長
1973年生まれ。2006年三和シヤッター工業入社。10年執行役員、ビル建材事業本部法人営業部長、11年取締役常務執行役員、ビル建材事業本部長、12年取締役専務執行役員、13年営業開発本部長兼任、14~15年事業戦略本部長兼任、16年代表取締役執行役員副社長を経て、17年より現職兼執行役員社長、三和ホールディングス取締役(写真:村田 和聡)

髙山当社における防災事業はESG経営そのものであり、特に環境と社会の両面から取り組んでいます。ESGを推進することで、業績と経営基盤に対する社会の信用を得ることがグループ全体の戦略です。なかでも持続可能な都市づくりや気候変動への対応については、防火や防水・耐風圧の商品やサービスを通じて、インフラや社会の安全性を高めることで、社会貢献につながります。

 当社の特徴として、商品開発、製造、施工、そしてメンテナンスまで手がけるという一気通貫のビジネスモデルがあります。お客様からのニーズに対応した商品開発や営業拠点が全国にあるので、地域密着でメンテナンスや有事の対応をしたり、被害にあった時に復興、復旧対応をしたりすることが可能です。

新型コロナウイルス感染症対策の製品も販売していますね。

髙山災害が起きても感染が心配で避難できないという、複合災害への不安がよく聞かれます。そこで避難所で使える組み立て式の簡易間仕切りを提供しています。東日本大震災の時、避難所のプライベート空間をつくるために利用したものですが、透明パネルを組み合わせることで、飛沫対策も可能になりました。1.8mの高さがあるので、立っていても会話できます。災害支援に当たった自衛隊員が帰任前に2週間、隔離施設で待機する時に、この簡易間仕切りをご使用いただきました。

 加えて、非接触のハンズフリー商品にも注目が集まっています。マンションの玄関のドアノブ、トイレのブース、自動ドアなど、もともと快適性を狙った商品が感染対策として注目されています。現在、開発に力を入れている分野です。