熱を加えると収縮する「シュリンクラベル」を主力製品に、グローバルで事業を展開する。ステークホルダーの環境意識の高まりに対応、プラスチック使用量を減らす取り組みを推進する。

事業概要を教えてください。

松﨑 耕介 氏(以下、敬称略) 飲料や食品、日用品などのパッケージを手掛けています。主力製品は熱を加えると収縮するフィルムを使った「シュリンクラベル」です。これはペットボトルやびん、缶の側面に巻き付ける商品ラベルです。そのほか、あらかじめ原紙の裏面に接着剤が加工されたシール用ラベルの「タックラベル」、飲み口や注ぎ口をつけた軟包装袋の「ソフトパウチ」などを提供しています。

 当社は包装資材だけでなく包装関連機械も一貫して開発・販売し、パッケージに関する様々な課題の解決策を提案できるのが特徴です。1秒間に18本のボトルにシュリンクラベルを装着するスピードを備えています。複雑な形の容器にもフィットさせ、美しい色や読みやすい文字を表現できることも強みです。業績も右肩上がりで伸びてきました。

任されたのは会社の変革

2020年2月に社長に就任しました。

松﨑耕介(まつざき・こうすけ)
フジシール代表取締役 社長
1984年京都大学工学部卒業後、日本アイビーエムに入社。2015年シュナイダーエレクトリック(日本法人)代表取締役を経て19年フジシール取締役に就任。20年2月より現職。(写真:村田 和聡)

松﨑 懇意にしていた持株会社フジシールインターナショナルの岡﨑成子社長に声をかけられたのがきっかけです。私に任されたのは会社の変革です。これまでフジシールは営業部隊も開発部隊もシュリンクラベル事業の拡大を考えて動いてきましたが、最近はEコマースなどでラベルを使用されないペットボトル飲料も売り出されています。「シュリンクラベルだけではもう成長できない」という意識を持ち、新しい発想で新しい仕組みを作る必要があります。

プラスチック使用に対する社会の目は厳しくなりつつあります。

松﨑 19年、出席したIRミーティングでも質問の7割は環境に関するものでした。お客様に新しい提案をする際も、「美しい印刷ができる」「早く作れる」というだけでは十分ではありません。環境ニーズをくみ取った提案が求められます。

 具体的な取り組みの1つは薄肉化です。厚さ0.04㎜(40ミクロン)のラベルを0.02㎜(20ミクロン)にできればプラスチック使用量は半分になる。今、最も薄いラベルの厚さは0.012㎜(12ミクロン)です。

 シュリンクラベル技術の応用も進めています。例えば、厚手のプラスチックパッケージの代わりにシュリンクラベルを使う「シュリンク台紙」で商品を包むとプラスチック使用量の85%削減ができます。9年前から提供を始め、日焼け止めやリップクリームなど日用品を中心に浸透しています。今後はこれまで取引がなかった家電やIT業界でも活用してもらいたい。20年4月にビジネス開発事業部という新組織を作り営業活動を始めました。将来的には、使用済みボトルからはがしたラベルを新品ラベルにリサイクルする「ラベルtoラベル」を実現し、プラスチック使用量は一切増やさない状況をつくりたいと思います。

2013年11月に竣工した「S×Sセンター」(兵庫県尼崎市)。研究開発機関としての役割を担う
(写真提供:フジシール)