健康でおいしい素材を提供

新生IFFはどのようなパーパスを掲げていますか。

塚越 IFFのパーパスは、「よりよい世界のために科学と創造力を使う」です。50年には世界人口が97億人に達するとの予測もあります。技術と創造力を駆使して、将来にわたって健康な素材とおいしい素材を提供し、世の中をよりよくしていきたいと考えています。

 北アジアでは日本発、韓国発の技術によって食品業界を元気にしていきたいですね。両国とも高齢化が急速に進展しているので、どんな提案をしていくのかは大きな課題です。

 私たちは、高齢者がうまくものを飲み込めなくなる嚥下(えんげ)障害を防ぐとろみ剤を提供しています。これにより、誤嚥(ごえん)性肺炎による死亡者数の減少に貢献できます。

 歩行などの動作が困難になるロコモティブシンドローム(運動器症候群)も深刻です。予防には大豆たんぱくを摂取して筋力の低下を防ぐことが有効とされています。また、食物繊維の摂取により、加齢による筋力の衰えで困難になりがちな排便を促すことができます。

 高齢化が進む日本と韓国のマーケットから生まれる技術を、世界に向けて発信していきます。

コロナ禍の影響とポストコロナへの取り組みを教えてください。

塚越 コロナ禍により世界中の人々が健康に不安を感じています。健康志向が強い米国では、大豆たんぱくなど植物由来の代替肉や乳代替飲料が注目されています。

 飲み物では、砂糖の代わりに低カロリーの人工甘味料と食物繊維が使われるケースが増えています。飲料にコクを与えるためには、甘味料のほかに食物繊維が必要なのです。こうしたニーズに対して、IFFは様々な提案が可能です。

 一方、近年の天候不順により小麦、大豆、かんきつ類などの価格が上昇し、小麦不足も予想されています。安定的な生産体制を支援し、しっかりと買い付けていくことが重要です。これはポストコロナですぐに問題になるのではないかとみています。