聞き手/斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

2021年1月に起きた電力の需給ひっ迫は、顧客だけでなく電力事業者にも大きな影響が出た。カーボンニュートラル実現に向けて再エネを増やしつつ、電力事業者として安定供給に努める。

2021年1月、電力需給がひっ迫する異例の事態が起きました。

谷口 直行(たにぐち・なおゆき)
谷口 直行(たにぐち・なおゆき)
エネット 代表取締役社長
1966年愛知県生まれ。89年日本電信電話(現NTT)に入社。2000年エネット経営企画部部長、06年NTTファシリティーズ東海支店副支店長、08年同ソーラープロジェクト本部副本部長、10年エネット経営企画部長、19年9月NTTアノードエナジー取締役スマートエネルギー事業部長、21年4月エネット代表取締役社長に就任(写真:大槻 純一)

谷口 直行 氏(以下、敬称略) 今冬は断続的な寒波で電力需要が大幅に増え、電力市場で過去に例のない価格まで跳ね上がりました。

 これまで電力需要に関しては、kWで表す発電設備の出力量について注視してきました。一方で顧客に供給する電力総量のkWhは、需要を満たす電力量が十分にあることが当然の前提でした。

 ところが昨今、再生可能エネルギーの需要が大幅に増え、取引市場で従来の化石燃料による電力価格が下落したことで、電力会社が発電所の休廃止に動き出しています。

 そこに液化天然ガス(LNG)の在庫が減少して発電所の稼働が抑制され、供給力が低下したことなどが重なり、電力需給のひっ迫につながりました。

 政府もこの状況を重く見て対策を進め、電力の需給バランスを検証しています。事業者も電力供給力(kW)の確保だけでなく電力量(kWh)までを意識し、責任をもって事業を進めていきます。

CO2排出量低減メニューである「EnneGreen(エネグリーン)」の導入状況を教えてください。

谷口 EnneGreenは顧客のCO2排出量の低減や再生可能エネルギーの調達をサポートする電力プランです。当社はEnneGreen提供前の09年ごろから、グリーン電力証書の活用やCO2排出ゼロ電気などに取り組み、17年にEnneGreenというサービス名で提供を始めました。

 20年10月、菅義偉首相が「2050年カーボンニュートラル」宣言を行ったことで、企業の関心が高まり、契約数は現時点で2500件まで増えています。

 日本企業でRE100に加盟しているのは21年9月時点で59社ですが、このうち約2割がEnneGreenを契約していて、一定の評価をいただいていると感じています。

■ CO2排出量低減メニュー「EnneGreen」導入実績の推移
■ CO<sub class="fontSizeXS">2</sub>排出量低減メニュー「EnneGreen」導入実績の推移
出所:エネット