プラントの無人化を目指す

協業の一環として、NECとの事業を20年7月に発表しました。経緯や現状について教えてください。

石坂 産廃処理業界ではプラントや重機の事故、労働力不足など様々な課題を抱えています。NECとの協業により、未来型のスマートプラントに変革する準備を進めています。ローカル5Gを導入し、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)など最新のICT(情報通信技術)を活用して、遠隔で廃棄物処理ができるようになれば、省人化により労働問題を解決できます。最終的にはプラントの無人化を目指したい。大規模災害のゴミ処理といった非常時にも、臨機応変に稼働時間を増やすことができるでしょう。

ESGのS(社会)の中で従業員の幸福度が注目されています。社員教育にも熱心ですね。

石坂 社内講座として「石坂技塾」を就業時間後に開いてきましたが、今後はさらに内容を拡充して「社内大学」を設置する準備を進めています。働きやすく、自己成長を実現する会社にするにはどうしたらいいか、「働きがい改革」を担う人財開発室では社員一人ひとりの強みをどう伸ばしていけるのか、何が弱みなのかを自覚してもらいます。

 「75歳まで働く時代に備えて、自分のスキルをビジネスに変えたり、社外でも技術を生かしたりするための土台を作る。社員自ら講師となり、現場型の課題解決や技術的な溶接や機械のメンテナンス、廃棄処理やリサイクルに使う機械のメンテナンスなど自身の仕事の分野で講師をしてもらいます。

■ 社員の自発性を活かした組織づくり
改善活動を提案、実施するQCサークル。この他にも現場の発想を生かし、社員の成長につなげる数々の活動が繰り広げられている
(写真提供:石坂産業)

ESG経営を進める上で、大切なことは何ですか。

石坂 私たちは大きい会社になりたいわけではなく、長く続ける会社になりたい。ESGは長期目標の柱そのものです。創業者の思いから始まった会社を持続可能にするには、顕微鏡と望遠鏡の両方の視点を持ち、社員と共有することが大切だと思っています。顕微鏡の視点では社員と、足元で何が起こっていてどう解決するかを共有する。望遠鏡で未来を見ることも大切で、時代の変化にしなやかに対応するには社員と経営者の意識が一体化しないと難しい。

 そのためにも、SDGsが世の中に広がったことで、社員が社会的活動と自分の仕事がどうつながっているのか、自分たちの活動が社会にどう生かされているのかを学ぶ機会になるのはいいことだと思います。