聞き手/田中 太郎(日経ESG経営フォーラム事業部長)

地域とともに事業を運営するという独自の手法で電力開発を進める。5つのエネルギーを組み合わせた事業展開で、サステナブルな社会の実現を目指す。

設立以来、再生可能エネルギーの開発事業を展開しています。

目﨑 雅昭(めざき・まさあき)
目﨑 雅昭(めざき・まさあき)
GPSSホールディングス 代表取締役社長 兼 CEO
慶應義塾大学商学部卒。ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)社会人類学修士号。米メリルリンチ証券勤務を経て、10年間、世界100カ国以上を旅する。2012年、太陽光発電でグリットパリティーを達成するため、日本メガソーラー整備事業を設立。日本全国での持続可能エネルギー事業の展開を視野に、17年、GPSSホールディングスに社名を変更(写真:吉澤 咲子)

目﨑 雅昭 氏(以下、敬称略) エネルギー開発を主軸としていますが、「再生可能エネルギー」ではなく、「サステナブルエネルギー」を開発している会社だと私たちは定義しています。

 あえてこのような言葉を使う理由の1つは、当社のミッションが、「サステナブルな社会を実現すること」だからです。そのような社会において、エネルギーが占める割合が大きいため今はサステナブルエネルギーの開発、建設、運営をしているに過ぎません。つまり、再生可能エネルギーの普及が目的ではなく、その先に、サステナブルな社会を作るというゴールを見据えているのです。

 もう1つの理由として、私たちは木質バイオマス発電は開発していません。大規模な木質バイオマス発電では、どうしても木が生育するスピードよりも、切って燃やすスピードのほうが早くなってしまいます。再生が可能かどうかではなく、エネルギーが生成されるまでの時間軸と、消費する時間軸が問題なのです。その意味でもサステナブルエネルギーだけに注力します。

事業の強みは何ですか。

目﨑 まず、当社は太陽光、風力、水力、バイオガス、地熱という5電源すべてのプロジェクトに関わっています。この網羅性が1つの強みです。また、他と違う大きな特徴は、地域との共同事業の形で開発を進めている点です。

 東京の事業者が地方で土地を取得して発電所を開発した場合、実質的な利益はその事業者に入ります。

 水や風、地熱といったエネルギー源は、その地域が持っているものですよね。自然の恵みとともに、地震や津波といったリスクを引き受けているわけです。そのリターンはきちんと地元の人が得るべきでしょう。地元の人がエネルギーを有効活用できるように、私たちが開発や建設、ファイナンスのノウハウを提供しています。

事業提携で開発を加速

開発している発電の規模を教えてください。

目﨑 今、実際に稼働しているのは太陽光と地熱で、GPSSグループが手掛けている発電所140件、合計約205MWです。2021年の売り上げは100億円を見込んでいます。全国でかなりのプロジェクトが進行中で、2022年には水力が稼働できますし、風力も開発が進んでいます。

 21年5月にはバイオガス発電のコンサルティングを手掛けるアーセック(東京都港区)と資本業務提携を締結しました。私たちの強みである建設とファイナンスに、アーセックが強みとする開発力が加わります。さらに、6月には太陽光の分野で大阪ガスとの共同開発が決まりました。既存エネルギーの事業者も新しいエネルギーに転換していかなくてはなりません。そこに当社の技術力を提供していく予定です。