聞き手/酒井 耕一(日経ESG発行人)

110年の歴史を持つDaigasグループは、長くエネルギーの安定供給を続ける。天然ガスの高度利用で低炭素化に取り組み、革新的メタネーションで脱炭素化を目指す。

大阪ガスを中心とするDaigasグループの企業姿勢について教えてください。

松井 毅(まつい・たけし)
松井 毅(まつい・たけし)
大阪ガス 代表取締役副社長執行役員 兼 ESG推進統括
1983年東京大学法学部卒業、同年4月大阪ガス入社。2016年常務執行役員、17年取締役常務執行役員、19年代表取締役副社長執行役員、20年よりESG推進統括を兼務(現任)(写真:行友 重治)

松井 毅 氏(以下、敬称略) 私が大阪ガスに入社した当時から「サービス第一」という社是が大切にされていました。2015年に改定したグループ企業理念では、「暮らしやビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループ」を目指すとしています。110年以上、お客様起点で考え続けてきた会社です。

 今、地球環境を守ることがお客様の大きな関心事になっています。株主や地域社会も同様で、問題意識を持つ従業員も増えています。私たちは、提供するエネルギーを石炭・石油からCO2排出量の少ない天然ガスに切り替え、環境貢献に努めています。

 もう1つ大切なことは、エネルギーレジリエンスの強化です。

 1995年の阪神・淡路大震災の時、約570万戸のお客様のうち約86万戸でガスの供給を止めざるを得ませんでした。復旧したのは、ほぼ3カ月後です。

 その後、耐震性の高いガス管に交換したり、復旧する際の区画を細分化するなどして、震災対応力を高めてきました。

 2018年の大阪北部地震では約11万戸でガス供給が止まりましたが、この時は7日で復旧しました。地震の規模こそ違いましたが、現場からは「もっと短縮できないか」という声が上がっています。そんなマインドこそが、Daigasグループの基本姿勢なのです。

21年1月、「Daigasグループカーボンニュートラルビジョン」を発表しました。

松井 天然ガスへの転換、コージェネレーションやエネファーム(家庭用燃料電池)の普及など、低炭素化には長きにわたって取り組んできたとの自負があります。

 引き続き天然ガスの高度利用などによって30年まで低炭素化を進め、CO2排出削減貢献1000万t、また再生可能エネルギー普及貢献500万kW、国内電力事業の再エネ比率50%程度を実現させます。

 それと並行して、イノベーションに挑戦して新しい脱炭素技術を開発します。最終的には50年カーボンニュートラルを実現させるというのが、このビジョンのコンセプトです。