安部 Digital-Orientedな組織になれば、人は過剰な教育やオペレーションから解放されて、本来担うべき創造的な仕事や新しいチャレンジに専念できるようになります。

■ DX成功の9つのポイント
■ DX成功の9つのポイント
経営層主導のもと、権限・リソースを与えられたDX推進組織が改革を主導するとともに、全社員は最低限のリテラシーを獲得することで、DXを成功に導く
(出所:B&DX)

企業は今こそDXに取り組むべき

DXを推進して、「Digital-Oriented」な組織に変えていく上での課題は何ですか。

安部 最大の障壁は人間の意識を変えることです。業務プロセスを人ではなくデジタルに実行させるのは今までとは180度異なるため、様々な部署や階層から抵抗が起きるでしょう。日本の大企業は過去のHuman-Orientedな成功体験を引きずって、それを変えたがらない傾向が強いのです。

■ 発想の転換:Digital-Oriented
■ 発想の転換:Digital-Oriented
【左:Human-Oriented】これまでは、人間に上記4つの要素を埋め込む(理解する、覚える、マニュアルで確認する、支援機能をつくる・・・)構造になっていた。こうした構造をHuman-Orientedという。業務プロセスやITは人間前提の置き換えに過ぎない

【右:Digital-Oriented】こうした4つの要素をすべてデジタルに埋め込む、デジタルがルールを守り、人から情報や意思決定を引き出しながら、システムを操作して能動的に業務プロセスを進めていく。いわばdigital-drivenな業務のやりかた
(出所:B&DX)

 変われない企業に一番足りないのはデジタル化の成功体験です。その意味では、新型コロナウイルスのパンデミックはDXを進めるよいきっかけになるでしょう。コロナ前に日本でテレワークがこれほど普及すると誰が想像したでしょうか。ビデオ会議での営業なども当たり前になりました。デジタル化の波をもはやどの企業も無視できなくなりました。デジタルによる変革の成功体験を積み上げていくことで意識を変え、トランスフォーメーション力をつけていくことが重要です。

 日本の企業は、今こそDXに取り組むチャンスです。政府のデジタル庁が発足し、行政のデジタル化も進行します。これからの2、3年でDXできない企業は永遠にできないでしょう。ESGの観点からもDXに取り組むべきであり、私たちはそうした企業をしっかりと支援していきたいと思います。