取引先の課題解決も支援

人権など社会課題にも積極的に取り組んでいます。

北條 近年、自社だけでなくサプライチェーンで強制労働や児童労働、低賃金労働、ハラスメントを排除することが強く求められています。「社会サプライチェーン」はさらに強化していくべきだと認識しています。労働慣行、健康と安全、人権とコミュニティ、品質・顧客に分類し、取引先と協力して課題を解決することが大切です。

 取引先の従業員の人権を尊重し、国内では労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)や就業規則の有無を調査して適正な労働条件を確保し、長時間労働や過重労働につながるリスクを排除しています。

取引先の労働環境の改善まで視野に入れているのですか。

北條 国連が企業に対して人権・労働権・環境・腐敗防止に関する4分野10原則の順守・実践を求めた国連グローバル・コンパクトに署名し、21年4月に参加企業として登録されました。人権・労働・環境・腐敗防止は、当社が以前から取り組んできたことと重なります。

 取引先とは協業を通じて、生産性向上や収益率向上を目的に、現場改善や生産技術指導も実施してきました。その延長線上で労働環境を改善しており、特に海外の取引先からは喜ばれています。

 改善状況については方針・体制・取組・有効性の4段階で達成度を評価し、取引先へのアンケート調査で成果を検証する仕組みをつくりました。このPDCAサイクルを回すことで、取引先との継続的な協業と改善活動を推進していきます。

 ただ、直接やり取りする1次取引先の状況は確認できても、サプライチェーンの2次・3次取引先の状況までは担保できていません。人権保護活動は2次以降の取引先までさかのぼって確認を求められるので、早い段階でリスクの低減や人権問題の排除に注力していきたいと考えています。

サプライチェーン全体の活動状況を確認するということですね。

北條 主な部材だけでも取引先は約600社あります。これまで受発注などの取引には、電子データ交換を採用していました。これを一歩進めてコミュニケーションの効率化を進めるため、サプライチェーン向けの情報システムを構築しています。

 例えば、当社ではBCP(事業継続計画)で、震度5強以上の地震や台風、洪水など災害の発生時には取引先の安全状況を確認しています。国内だけでなく海外の取引先も対象で、これまでは人海戦術で担当者が電話やメールでやりとりをしていました。

 サプライチェーン全体を管理するため、取引先の状況を自動で問い合わせて確認できる取引先管理システムを22年に稼働させる予定です。

 当社はものづくりの会社ですが、取り扱う製品のIoT化も積極的に進めています。引き続きサプライチェーンも含めて、事業全体でDXに取り組んでいきます。