中期経営計画2022で、注力技術を「AIエッジ」と定めました。

鎌上 OKIの事業は高い信頼性が要求される業務に特化したもので、強みはエッジ、端末にあります。ただ端末だけでは単純なハードウエアなので、エッジでリアルタイム処理するAI(人工知能)エッジを注力技術に定めました。そして5つの技術領域を強化し、社会インフラの高度化を目指します。

■ OKIの注力技術「AIエッジ」
■ OKIの注力技術「AIエッジ」
センシング、ネットワーク、インテリジェンス、ロボティクス、ユーザー・エクスペリエンスの5つの先端的技術領域で、注力技術「AIエッジ」の強化を図る
(出所:OKI)

腰を据えて課題解決に取り組む

人材育成にも力を入れています。

鎌上 AI技術者はどこでも引っ張りだこで、人材が足りません。そこで職種とレベルに合わせたAI教育を実施、270人を超える実践力のあるAI技術者を育てています。また中央大学と共同でAI・データサイエンス社会実装ラボを設立し、21年7月段階で7件のプロジェクトを進めています。

労働力不足、自然災害、老朽化問題などに対する取り組み例を紹介してください。

鎌上 労働力不足への対応やコロナ禍で非対面・非接触によるサービスへのニーズが高まっています。そこで、OKIの省人化、自動化技術を生かせば、ATM画面に触らずに操作できる機能を付けたり、リモートから複数の協働ロボットをコントロールすることができます。また自然災害、例えば土砂崩れは兆候があるので、それをAIエッジで解析し、住民に即座に知らせる仕組みを自治体と一緒に開発していきます。さらに、老朽化問題では橋梁(きょうりょう)などが崩落する前に予知するなど、優先順位を付けて、修理できるようにしていきます。

環境課題の解決に取り組んでいます。

鎌上 製品の消費電力の抑制と、ものづくりに使う電力の削減の2つが柱です。自分たちが使う電力は自分で作ろうと、21年に竣工する本庄工場新棟では、大規模生産施設で国内初となる「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)」認定を取得しました。製品も使うエネルギーは自分で作ることができるように研究を進めていきます。

今後の展望をお話しください。

鎌上 自分たちの子や孫が生きる時代を考えた時に、今のままの地球でよいのだろうかと、身近な問題として考えることが重要です。OKIは31年には創業150年を迎えますが、そこからバックキャストして、持続的な成長を目指し、課題の解決に腰を据えて取り組んでいきます。