聞き手/斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

業務用冷凍・冷蔵庫メーカーのフクシマガリレイは創立70周年を迎えた。2050年を目標とした環境長期ビジョン「Dramatic Future 2050」で脱炭素の実現を目指す。

事業概要について教えてください。

福島 豪(ふくしま・ごう)
福島 豪(ふくしま・ごう)
フクシマガリレイ 専務取締役営業本部長 兼 東日本支社長
1977年大阪府生まれ。大阪教育大学大学院卒業後、電機メーカー勤務を経て、2005年福島工業(現フクシマガリレイ)入社。以来営業部門に所属し、14年専務取締役就任。営業本部長として営業部門を統括する。同社女子実業団テニス部の部長も務める(写真:中島 正之)

福島 豪 氏(以下、敬称略) 外食産業向けの業務用冷凍冷蔵庫と、スーパーやコンビニ用の冷凍冷蔵ショーケースを中心に、開発から製造、販売、メンテナンスまでを一貫して行うメーカーです。この10年ほどのM&A(合併・買収)で、倉庫向け冷凍冷蔵庫技術や食品工場用トンネルフリーザー®も提供できるようになり、サプライチェーン下流の店舗から中流・上流へと業務範囲が広がりました。海外市場はアジアに力を入れていて、最初に進出した香港は30年以上の歴史があります。代理店ではなく、自ら直接現地に展開するやり方で、中国、台湾、東南アジア諸国など合計11カ国・地域に展開しています。

環境面ではどのような取り組みをしていますか。

福島 2021年6月に50年の温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す環境長期ビジョン「Dramatic Future 2050」を発表しました。その中で30年までの気候変動への取り組みを柱とした「環境アクション2030」を策定しました。

 私たちが事業活動で排出するCO2は年間1万tほどですが、ご使用10年未満の冷媒漏洩はCO2換算で5倍の5万tになります。さらにスーパーマーケット1店舗当たりの電力消費量の半分が冷凍冷蔵ショーケースだといわれます。私たちの国内シェアは30%ほどなので、CO2排出量はスーパーマーケットだけで200万tを超え、さらに他の製品を加えると、300万~400万tにもなります。ですから、冷媒ガスの漏洩防止と店舗のCO2排出量削減は当社にとって社会的な責務です。

「環境アクション2030」の具体的な内容を教えてください。

福島 柱はグリーン冷媒への転換、冷媒漏洩防止、環境性能の高い製品の開発・提供、CO2排出量削減の4つです。まず25年時の新規製品・新規設備に使う冷媒は低GWP(地球温暖化係数)冷媒/ノンフロン冷媒に切り替えます。同じく25年から「冷媒漏れ10年保証」を始め、35年には販売から10年以内の製品・施工物件の冷媒漏洩量ゼロを実現します。

 力を入れているのが設置機器からのIoTデータに基づいて故障を予知し、冷媒が漏洩してしまう前にメンテナンスをする仕組みの構築です。収集したビッグデータをAIで分析することによる予知が可能となります。