鎌上 例えば、交通事故防止のソリューションを生み出すには、クルマが他のクルマの走行状態や歩行者の位置をセンサーで感知し、即座にその情報を処理して減速したりストップしたりしなくてはなりません。

 一部のデータはエッジに頭脳を持たせた「AIエッジ」が処理し、ビッグデータはクラウドで処理する。AIエッジとクラウドが、総合的に連携を取ったシステムを構築することが必要です。その中で当社は、AIエッジの分野で役割を果たしたいと思います。

 ソリューションの1つの事例が、工場で動く工作機械のデータを現場で処理し調整・修正する「スマート工場」です。お客様に提案するだけでなく自分たちで体現しようと、現在「Manufacturing DX」のモデル工場づくりを進めています。この工場は環境負荷低減のため「ゼロ・エネルギー・ビル」化するほか、自然災害にも強固な工場とする予定です。

■ 沖電気工業の成長戦略
図版提供:沖電気工業
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AI人材の育成にはどのように取り組みますか。

鎌上 AIエッジの事業拡大に必要なのは、高額な年俸でスカウトしなくてはならないようなAIエキスパートではなく、AIを地道に社会実装する技術者です。AI人材が引っ張りだこで中途採用も難しい今は、社内で人材を育成する考えです。

 20年8月には中央大学と連携し「AI・データサイエンス社会実装ラボ」を開設、実践力を持つAI人材の育成に取り組み始めました。

事業の変化に伴い、組織体制やガバナンスも変革しますか。

鎌上 売上高が何兆円もある大企業ならば縦割りにも意味があります。しかし、我々のような4000億~5000億円の規模で細分化するのは効率が悪く、「チームOKI」で対応するのがいいと思っています。私が社長に就任した際に100社超あった子会社も統合・再編を進め、60ほどにしました。今後も効率の良い経営とガバナンスを追求していきます。