聞き手/斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

自動車の電動化によるリチウムイオン電池のリサイクルなど新しい課題にも対応する。災害対応のための情報提供や不法投棄を減らす活動などサービス提供にも力を入れる。

自動車リサイクル促進センターの事業内容について教えてください。

阿部 知和(あべ・ともかず)
阿部 知和(あべ・ともかず)
自動車リサイクル促進センター 専務理事(COO)
1959年東京都生まれ。84年東北大学工学部卒業後、出光興産入社。2000年ホンダエンジニアリング入社、車体研究開発部長、塑型技術部長、本田技研工業環境リサイクル推進室長、資源循環推進部長を経て、19年7月から現職(写真撮影:村田 和聡)

阿部 知和 氏(以下、敬称略) 循環型社会の実現に向け、自動車リサイクルの様々な課題に対応するための自動車業界の横断的機関として2000年に設立されました。使用済み自動車の適正なリサイクルや資源の有効利用、環境保全に寄与する活動をしています。具体的にはユーザーからお預かりするリサイクル料金の管理や運用のほか、リサイクル促進のための調査研究、啓発や情報提供もしています。

アニメーションを使った宣伝活動も話題になっています。

阿部 「えんとつ町のプペル」の絵本をベースとして、「ゴミ人間プペルとクルマくん」というオリジナルの動画を作りました。若者に自動車リサイクルに対する理解を深めてもらうため、自動車教習所のテレビで放映しています。子どもたちも興味を持つ内容なので、イベントや学校などでも展開します。

サービスを拡充していますが、どのような内容ですか。

阿部 激甚化する自然災害に備え、がけ崩れで車が埋まったり、洪水で車が水没したりする被害を想定し、行政側に被災した車の処理の方法や保管場所について情報を提供しています。また離島の不法投棄車をなくすための活動もしています。使用済み自動車の処理は本土に船で運ばなければできないのですが、運搬費用がかかります。費用の80%を支援して、周知活動も続けています。

国際協力機構や自治体などが発行するESG債に投資をしています。狙いは何ですか。

阿部 グリーンボンド等のESG債投資は18年に開始し、取得実績は20年9月時点で累計で44億円となりました。ユーザーからお預かりした資金を有効に運用するため、循環型社会に寄与する内容の投資を重視しています。9400億円の運用資金の一部ではありますが、今後も内容がよければ増やしていきたいと考えています。

■ 自動車リサイクル促進センターの主な活動
大規模災害への備え
大規模災害への備え
大規模な災害が発生した時でも、自動車リサイクル法に基づく対応が適切に行われるよう、自治体への支援を行っている。写真は、東日本大震災で被災した自動車を集めた仙台市の仮置場(2011年11月)
ESG債への投資
ESG債への投資
2018年度から開始した投資は、年々その額を増やしている
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(写真・資料提供:自動車リサイクル促進センター)