聞き手/:斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

独自技術による商品の省エネ・小型化で環境負荷の軽減に寄与する。社会への貢献総量である売り上げの成長を通じて、より多くの貢献につなげる。

2020年5月の社長就任後、経営ビジョンで、「お客様の商品の“省エネ”“小型化”に寄与することで、社会課題を解決する」と宣言しました。

松本 功(まつもと・いさお)
ローム代表取締役社長 社長執行役員 CEO
1985年九州工業大学卒業後、ローム入社。長年、半導体プロセスの開発に携わり、2000年から半導体の国家プロジェクト「あすかプロジェクト」に参加。ローム浜松、フィリピン拠点を経て、13年取締役、19年取締役常務執行役員、20年5月より現職(写真:石田 高史)

松本 20年1月に創業者が逝去し、我々は創業時の不屈のチャレンジ精神を持って、もう一度成長したいと考えました。ロームの企業目的は、「良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献する」ことです。企業にとって売り上げは社会への貢献総量であり、売り上げを伸ばすことで社会貢献ができる。これが我々の使命であることを再び社員の間に浸透させるために、経営ビジョンを策定しました。

 ロームグループは、社会的な課題を解決しつつ企業価値も創造する「CSV(共通価値の創造)」を軸に、お客様の商品の省エネ・小型化に貢献する新商品の企画・開発・販売を行ってきました。創業から60余年、企業規模や経営環境は変化していますが、企業目的に基づくCSVの考え方はDNAとして受け継がれています。全世界の電力消費量の約半分を占めるというモーター、そして電力消費のカギを握るのが電源です。こうした電力を制御するデバイスの効率を数%改善すれば、全体で大きな省エネ効果が得られます。

 我々は、低損失で省エネ効果の高いSiC(シリコンカーバイト)パワーデバイスやモジュールなどの提供を通じて、エネルギー問題の解決に貢献できると考えています。創業以来、独自の微細化技術を駆使して進めてきた部品の小型化も、環境資源を守るという点で重要な役割を果たします。

働きやすい職場環境の確保など、社員にフォーカスした取り組みを数多く行っています。その理由を教えてください。

松本 会社が存続していくためには社会貢献が大切で、そのためにはお客様に満足していただかなければなりません。お客様の満足を得るためには、社員の満足度を高めなければならない。こうしたサイクルをしっかりと回していくためには、社員がいきいきと働ける環境づくり、そして人材育成が大切だと考えています。

■ ロームグループの CSV(共通価値の創造)
出所:ローム