ストラクチャリング・エージェントとして、多くの企業のESG債発行を支援する。発行体の思いを伝え、投資家の共感を呼び込むスキーム提案力で高い評価を得ている。

 2021年11月、英グラスゴーで国連の気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が開催された。成果文書には世界の平均気温の上昇を1.5度に抑える努力目標が明記され、今後世界各国でカーボンニュートラル、ESG投資やSDGsに向けた取り組みが加速すると考えられる。

 世界のESG債市場では、21年10月末時点で20年の発行総額を超える約8000億ドル(約92兆円)、日本国内だけでも21年度11月末時点で約1兆8000億円の起債があった。その内容にも変化が見られる。18年度まではESG債の大半は、環境問題解決のためのグリーンボンドが占めていたが、新型コロナウイルス感染症対策への資金使途が急増した背景もあり、20年以降はソーシャルボンドとグリーンボンドの双方に資する「サステナビリティボンド」の起債額が増加傾向にある。

 また、21年度からは資金使途を限定しない代わりに、企業のサステナビリティ目標にコミットする「サステナビリティ・リンク・ボンド(以下、SLB)」や、脱炭素経済社会に向けた移行プロジェクトを使途とする「トランジションボンド」の発行も増え、今後さらなる市場の拡大が期待されている。

■ ESG債の種類別発行額の推移(国内)
■ ESG債の種類別発行額の推移(国内)
出所:ブルームバーグの資料を基にSMBC日興証券作成

グループ全体でKPIを上方修正

 サステナブルファイナンスが多様化する中、SMBC日興証券では、金融・資本市場におけるビジネスを通じた環境・社会問題解決のため、18年秋にSDGsファイナンス室を新設した。さらに、サステナビリティ戦略や非財務情報の開示など、サステナブルファイナンスに関連するサポート機能をより強化するため、21年秋にはサステナブル・ファイナンス部に改組した。

 三井住友フィナンシャル(SMBC)グループとしては、30年までの10年計画「SMBC Group GREEN × GLOBE 2030」において、21年5月にKPIを見直し、グリーンファイナンスおよびサステナビリティに資するファイナンスの実行額を10兆円から30兆円に上方修正した。合わせて、気候変動関連の施策を拡充し、気候変動ロードマップ及びアクションプランを策定した。