実行の第1段階となるSTEP1においては、(1)投融資ポートフォリオのGHG排出量(スコープ3)の把握と中長期目標の設定 (2)30年におけるSMBCグループ自身が排出するGHG排出量(スコープ1と2)のネットゼロに取り組む。こうして段階的に施策を進め、50年における投融資ポートフォリオ全体でのGHG排出量のネットゼロの実現を目指す。

■ SMBCグループの気候変動対策ロードマップとアクションプランの位置づけ
■ SMBCグループの気候変動対策ロードマップとアクションプランの位置づけ
*Scope1〜3の定義は以下の通り
・Scope1:事業者自らの直接的なGHG排出
・Scope2 :他社から供給された電気等の使用に伴う間接的なGHG排出
・Scope3:事業者の活動に関連する他社の排出(金融機関の場合はカテゴリ15 投融資先の排出が大きな割合を占める〉
(出所:三井住友フィナンシャルグループ)

資金使途は拡大の一途

 ここからは、SMBC日興証券がストラクチャリング・エージェント(グリーンボンドなどの発行支援を行うもの)を務めたサステナブルファイナンスの事例を紹介していこう。

 まず、新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」の建設を対象とするサステナブルファイナンスを発行した日本ハムだ。同社は「持続可能性の追求」を経営方針の1つに掲げ、「地球環境の保全」を含むCSRの5つの重要課題を軸に、事業を通じた環境・社会課題の解決に積極的に取り組んでいる。

 新球場は、災害時の避難場所を提供するなど、地域にとっても重要な数々の機能を備える。また、電気自動車(EV)用の充電ステーションの設置や、EV車両の導入によるクリーンエネルギーの利用を含む、環境に配慮した施設としてDBJ Green Building認証制度における5つ星を取得している。

 21年2月に日本ハムは同球場の建設資金の調達を目的に、同社初のサステナビリティボンドを発行した。そこには、「グリーンだけはでなくソーシャルも訴求したい」という同社の思いが込められている。この取り組みは幅広い投資家の関心を集め、発行額100億円に対し約6倍の需要があり、52件の投資表明を獲得した。

 21年7月には、京阪ホールディングスのサステナビリティボンド(10年債・100億円)のストラクチャリング・エージェントも務めた。

 同社初のサステナビリティボンドは資金使途として、鉄道車両の省エネルギー化(車両新造)、環境配慮型建物(GOOD NATURE STATION)への活用のほか、バイオマスポリエチレンなどの環境負荷軽減素材を使用した製品の調達・使用、フェアトレードカカオなどのサステナブルな原料の調達・使用なども設定している。人々のライフスタイルに根差した幅広いESGへの取り組みが投資家の共感を呼び、最終需要倍率は発行額の4.4倍となった。さらに、鉄道セクターにおけるサステナビリティボンドでは最多となる41件の投資表明を獲得した。