京阪ホールディングスでは、「京阪版SDGs」として「BIOSTYLE」という取り組みを推進している。「BIOSTYLE」とは、同グループが提案する「楽しみながら、健康的で良いものを自分らしく取り入れるライフスタイル」を指し、グループ全体で推進している。サステナビリティボンドによる資金使途として紹介した脱プラスチックやサプライチェーンマネジメントの取り組みなどは、BIOSTYLEの活動の一環として行われている。
サステナビリティボンドの起債は鉄道セクターでは同社が初であり、投資家層の拡大や資金使途項目の多様化に貢献した。

(出所:日本ハム)

(出所:京阪ホールディングス)
エネルギーセクターは起債堅調
既に人気を集めていたエネルギーセクターにおいても、市場は拡大し続けている。SMBC日興証券は、国内電力会社初となる東北電力を含め、J-POWER、中部電力、東京電力リニューアルパワー、INPEXと数多くのエネルギーセクターが発行するESG債のストラクチャリング・エージェントを務めた。
特に、再生可能エネルギーの拡大に向けたグリーンボンドの発行が活況を呈している。21年1月にはJ-POWERがグリーンボンドを発行した。25年度までに17年度比で150万kW規模の新規開発を進める。また、中部電力グループは、脱炭素社会の実現に向け「50年における事業全体のCO₂排出量ネットゼロ」を推進中だ。30年頃に再生可能エネルギーを320万kW以上拡大することを目標に掲げ、その開発に向けた資金調達として21年7月にグリーンボンドを発行した。

(出所:J-POWER)
東京電力リニューアブルパワーは主力事業である国内水力事業の基盤強化を推進するとともに、海外水力事業と国内外洋上風力事業に向けた資金調達として、21年9月に300億円のデビュー債をグリーンボンドとして発行し、再エネ事業拡大への取り組みを投資家に強くアピールした。INPEXが21年10月に起債した同社初のグリーンボンドは、特に注力している地熱発電、風力発電事業に充当される予定だ。