再生プラスチックのリサイクルチェーンを可視化するプラットフォームを構築した。消費者が利用しやすいアプリを完成させ、200人の実証実験も完了した。

 資源循環社会の形成に向けて、使用済みプラスチックの資源循環や再生プラスチックの利用が大きな社会課題になっている。日本政府は再生プラスチックの利用率を2030年に60%、35年には100%という方針を打ち出した。

 近い将来、再生プラスチック利用が当たり前になる社会がやってくる。資源循環社会が実現すれば、おのずとリサイクル由来の製品の価値が高まる。しかし、再生プラスチックを利用した製品のリサイクルチェーンや、原料のリサイクル比率を証明することは困難なのが現状だ。

 この課題を解決するため、旭化成は、プラスチック資源循環を目的とする「BLUE Plastics」プロジェクトを発足させた。

 研究・開発本部技術政策室資源循環プロジェクト長の井出陽一郎氏は、「BLUE Plasticsは、再生プラスチックの資源循環を可視化するデジタルプラットフォーム開発プロジェクト。リサイクルチェーンに関わる様々な企業や消費者が、幅広く利用できるオープンなプラットフォームを構築することで、リサイクル証明とリサイクル文化の創造を実現させたい」と開発の狙いについて語る。

 リサイクル証明とは、消費者が再生プラスチックを選ぶ際に、リサイクル由来であると正しく伝えることだ。それによって消費者に安心してリサイクル製品を買ってもらうとともに、環境貢献度を可視化してリサイクルの促進につなげる。こうしてプラスチックの資源循環サイクルを回すことによって、新たなリサイクル文化の創造を目指す。

■ ブロックチェーン技術を活用した「BLUE Plastics」の概要
■ ブロックチェーン技術を活用した「BLUE Plastics」の概要
再生プラスチックの資源循環を可視化するプラットフォームのイメージ
(出所:旭化成)

 既に欧州連合(EU)とカナダでは、ブロックチェーンを活用したプラスチック資源循環プロジェクトが動き始めている。旭化成ではこうした海外の動きを見据え、日本にもデジタルプラットフォームが必要との思いからBLUE Plasticsプロジェクトを立ち上げた。

 リサイクルは本来、地域で完結するローカルな活動なので、ルールや法制度は地域の事情に合わせた形で整備されるのが望ましい。井出氏は、「先行している欧州発のプラットフォームが日本に入ってきて標準になる前に、日本としてもプラットフォームづくりに着手する必要がある」と力を込める。