産業廃棄物のワンストップサービスを提供する傍ら、群馬県内に2カ所の旅館を運営する。全国からかやぶき家屋を移築、古民具・古美術品を展示し、古き良き日本文化の保存・継承に貢献する。

 2020年に創業50周年を迎えたエコ計画は、産業廃棄物の収集運搬・中間処理・最終処分・リサイクルをワンストップサービスで提供する。最先端技術を使い、自治体の指標より厳しい独自の安全基準に従って環境に配慮した処分・リサイクルを実施する。

 従来、「環境・食・貢献」をテーマに事業を展開してきた。環境貢献事業部が廃棄物の収集運搬・中間処理・最終処分リサイクルを手掛ける一方、旅館部門が食関連事業を営んでいる。

 創業当初から「環境経営の推進による循環型社会への貢献」という経営理念を掲げるエコ計画は、これらの事業を推進する中でSDGs達成を目指す。SDGs17項目のうち11項目が事業と関係するとして、積極的に取り組みを進めている。

■ エコ計画が推進するSDGsの取り組み
出所:エコ計画
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 例えば、地球温暖化防止、生物多様性保全、水資源保全などを見据えて行っているのが、森林の保有と整備だ。08年、群馬県高崎市に約1000haの森林を購入した。持続的な森林管理と生物多様性を保持し、フォレストック協会の認定を取得した。同協会と連携してCO2吸収量を算出し、クレジットも販売する。17年からは尾瀬保護財団に協賛し、特別会員として「尾瀬サミット」にも参加している。

古き良き日本の文化を残す

 本業の産廃事業を軸にESG経営を推進するエコ計画は、ボーン事業部で旅館業も手掛けている。これもSDGsのまちづくり実現につながる取り組みの1つと言える。運営するのは、群馬県東吾妻町の「かやぶきの郷 薬師温泉 旅籠」と、同県川場村の「川場温泉かやぶきの源泉湯宿 悠湯里庵」の2軒だ。

 旅館業への進出は、創業者で現在はエコ計画ホールディングス代表取締役を務める井上功氏の、「古き良き日本文化を後世に残したい」という思いが背景にある。山歩きが好きだった井上氏は、東北など日本各地を巡る中で古民具や古美術品に触れ、その素晴らしさに感銘を受ける。それと同時に、「価値あるものがこのまま失われてはもったいない」と保存のために収集を始めた。

 1980年代、その役目を終えて日の目を見ることがなくなったものに息を吹き込もうと、東京都内や群馬県内で、収集した古民具を取り入れた古民家風の高級居酒屋「時代屋」を開業する。

 今でこそ古民家は一種のブームとなり、行列ができるカフェなどもあるが、当時は非常に珍しかった。日本ならではの風情がある店は外国人にも好評で、在日外国公館免税指定店(DS店)の指定を受けるなど人気を呼んだ。

 その後、東京都内の店舗は閉じたが、群馬県渋川市の「くつろぎ味処伊香保時代屋」は観光客の人気も高いことから、現在も子会社が運営を続けている。

処分場のある地域を活性化

 時代屋の成功を受けてエコ計画が次に乗り出したのが、古民具や古美術品を取り入れた旅館業だった。群馬県渋川市で産業廃棄物の最終処分場を運営していることから、地域密着で事業を推進しようと同県内での開業を計画する。

 広い土地と源泉があることを条件に土地を探し、廃業した温泉旅館があった東吾妻町に約2万3000㎡の敷地を入手。99年に「旅籠」を、続いて10年に川場村に購入した約2万㎡の敷地に「悠湯里庵」を開業した。

 同社執行役員で経営企画室長の山崎禎泰氏は、「莫大な投資を必要とする旅館業への参入は、役員の間でも反対意見が多かった。しかし、創業者が『日本の古き良きものを形に残すことは循環型社会実現の一助になる』と、その思いを貫いた」と経緯を説明する。