有機性廃棄物リサイクルで営業利益率30%の高収益を実現している。人材の質的向上にも注力し、SDGsを経営に浸透させる取り組みが実を結び始めている。

 産業廃棄物の処理とリサイクルで関東圏のリーディングカンパニーとして注目を集めるタカヤマ(埼玉県所沢市)が、SDGsに軸足を置いた経営改革を加速している。

 同社はコンビニエンスストアや大手飲食店チェーン、食品工場、大型商業施設などから出る排水や食品残さなどを扱っている。約20種類ある産業廃棄物のうち、汚泥や汚水などの有機性廃棄物の処理が専門だ。

 廃棄物の処理事業は現代社会の持続性に欠かせない分野だが、とかくその内容が見えにくい。処理やリサイクルの工程では臭気も発生することから、地域コミュニティとの共存も求められている。

情報発信こそ時代の要請

 「産廃業者は何をしているのか見えないイメージが強いからこそ、これからは積極的な情報発信ができなければ、勝てない時代になると思う。迷惑な施設と認識されず、社会に必要とされるためにも、近隣や自治体の方々に広く当社の事業活動内容を理解してもらうことを、経営の根幹として重視している」と齊藤康祐専務取締役は強調する。

 埼玉県本庄市にある同社の汚泥・汚水のリサイクル拠点「エコジョイン北関東」では、SDGsで主眼の1つとなっている「地域との共生」を重視した取り組みを強化している。エコジョイン北関東は2013年に施設のリノベーションに着手し、リサイクル施設を稼働させながら3期に分けて改善・改修工事を進め、19年に完了した。

 汚泥の脱水速度を速める装置や脱水後の残さを燃やす焼却炉といった基幹設備を更新すると同時に、施設内の設備やリサイクル処理の工程を窓越しに見られる「見学専用ルート」も整備している。

 壁には大型のモニターや処理工程を分かりやすく解説したパネルを掲示した。訪れた顧客や見学に招いた近隣住民に向けて、最新の設備でリサイクルを効率化していることやオゾン脱臭装置を活用して、敷地外へ臭気が拡散しないよう努めていることをアピールする狙いがある。

■ 2013年にリノベーションに着手した中間処理施設「エコジョイン北関東」
■ 2013年にリノベーションに着手した中間処理施設「エコジョイン北関東」
■ 2013年にリノベーションに着手した中間処理施設「エコジョイン北関東」
2019年まで3期に分けてリノベーションした「エコジョイン北関東」の空撮写真(写真左)と、同施設内部に設けた見学専用ルート(写真右)
(出所:タカヤマ)

 さらに、近隣住民とは定期的な対話の機会を設け、施設に対する要望や意見をくみ取っている。宮崎秀男工場長は、「施設の周りを囲む防音壁は、音を気にされる近隣住民の方への配慮から、改修工事の第1期で設置した。外からでも施設内を見ていただけるよう、防音壁の一部は透明板にしている」と話す。「開かれた工場」を念頭に、安心・安全と美観の堅守を目指している。

 エコジョイン北関東では1992年の操業当初から環境活動にも注力し、2002年にはISO14001の認証を取得している。

 施設内で使うフォークリフトを電気自動車(EV)に切り替えるほか、焼却炉で発生する廃棄ガスを固形物(脱水後の汚泥)の乾燥熱源に使用するなど、ここ数年で脱炭素社会に向けた取り組みも進む。将来的には焼却炉の燃料を重油から天然ガスに切り替える予定だ。