SDGs個人目標を全員が開示

 タカヤマはこれまで、「足腰の強い会社、憧れられる会社、幸せをつくる会社」を目標に、中期経営計画を推進してきた。22年9月期に計画の最終年度を迎えるが、中計の一環としてSDGsを重視した経営を進めてきたことも大きな特徴だ。

 中計に沿って毎年決める経営目標を小さなメモ帳のようにして全社員に携帯させる企業が増えている。タカヤマはそれに加えて、「チャレンジシートSDGs個人目標」という、個人がSDGsの目標達成に貢献するためにどのようなアクションプランを持っているかを、手帳に挟める小冊子にしている(下の写真参照)。

 社員全員の顔写真入りで、日々の業務や日常生活の中でSDGsに資する行動をリストアップしている。「待機中のアイドリングストップを心がける」「地域で生産したものを消費する」「マイバッグを持参する」など、個人のアクションプランを“宣言”する内容となっている。

■ 社内におけるSDGsの取り組み
■ 社内におけるSDGsの取り組み
■ 社内におけるSDGsの取り組み
タカヤマが掲げるSDGs目標は社内の至る所に掲示されている(写真左)。社員に配布した小冊子「チャレンジシートSDGs個人目標」には全員の個人目標が顔写真入りで紹介されている(写真右)
(出所:タカヤマ)

 22年2月からは、会社が社員に貸与しているスマートフォンにも、SDGsに関連して個人が実行した内容や、SDGs経営の推進アイデアなどを書き込めるアプリを導入する。

 「一種の社内SNSとして活用していく方針です。個人が会社や地域のためにできることを、思い付いた時に自由に発信してほしい。他の社員が“いいね”と反応することで、コロナ禍で損なわれた社員同士の日常的なコミュニケーションも補っていきたい」と齊藤専務は話す。現場で働く社員にも積極的に投稿してもらい、全社一丸となることに期待を寄せている。

 こうした取り組みがスムーズに動き出しているのも、「タカヤマアカデミー」という社員教育の場において、SDGsについて周知・教育・浸透活動を続けてきたことが大きく寄与している。

 もともとタカヤマアカデミーは、製造業における5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動を産廃業界でも取り入れ、教育もできるインストラクターを育てるためにスタートしたが、17年からはSDGsを学ぶ場に位置付けた。約4年にわたる研修が実を結び、社員の社会貢献に対するモチベーションが上がったことで、本格的にSDGs経営に取り組む体制が確立した。

 SDGsの取り組みが功を奏したように、「幸せをつくる会社」を実現するためには、社員一人ひとりの成長が欠かせない。22年10月から始まる新しい中計では、今以上に人材育成に重きを置いて施策を推進していきたいと、齊藤専務は決意を新たにしている。