SDGsの実現に直結する環境・社会システム事業を推進する。培った技術に磨きをかけ、エネルギーと水で持続可能な社会づくりに貢献する。

 モーターは、日常生活はもちろん製造業などいたるところで使われており、世界の電力の約50%を消費しているといわれる。

 安川電機は1915年の設立以来、モーターとその応用を事業領域に定め、トップランナーとして躍進してきた。機械工学の「メカニズム」と、電機・電子工学の「エレクトロニクス」を融合し、60年代後半に「メカトロニクス」という概念を世界に先駆けて提唱した。

 安川電機は創立100周年に当たる2015年、「2025年ビジョン」を掲げた。先進国の少子高齢化、エネルギー消費の拡大による環境問題の悪化など、社会を取り巻く環境の変化を機会として捉え、将来に向けた経営の方向性を示すのが狙いだ。そして、「事業の遂行を通じて広く社会の発展、人類の福祉に貢献する」という経営理念を打ち出した。

 「2025年ビジョン」では大きく2つの事業領域を目指す。1つはi3-Mechatronics(アイキューブ・メカトロニクス)を軸とした「工場の自動化/最適化事業」でグローバルシェアトップを追求すること。i3(アイキューブ)とは、Integrated(総合的)、Intelligent(知能的)、Innovative(革新的)の頭文字で、i3-Mechatronicsは新たな産業自動化革命を実現するソリューションコンセプトとなっている。

 もう1つは、社会の持続的な発展に向けた新たな「メカトロニクス応用領域」だ。環境・社会システム事業部長の山田達哉氏は、「メカトロニクス応用領域は今まさに注力する分野であり、社会に新たな付加価値を生み出すものと期待する。ESG活動として積極的に取り組んでいく分野と位置付けている」と話す。

■ 安川グループの2025年ビジョン
■ 安川グループの2025年ビジョン
出所:安川電機

太陽光発電の機器を強化

 同社は10年、環境エネルギー事業を立ち上げた。環境エネルギーの問題解決のためにコア技術を結集し、太陽光、風力、マイクロ水力発電といった再生可能エネルギーによる発電システム用電機品を積極的に開発するのが目的だ。事業をグローバル展開するべく、14年にフィンランドの風力発電用機器メーカーのスイッチ社、米国の太陽光発電用機器メーカーのソレクトリア社を傘下に置いた。安川グループの再エネ機器の出荷容量は1600万kWに達し、一般住宅約480万戸の電力消費を賄う計算になる。

 20年には、ソレクトリア社と共同開発した分散型太陽光発電用のパワーコンディショナ「XGI 1500」(150kW出力)を新たに市場に投入した。1月の米国市場投入後、6月に日本でも販売を開始した。パワーコンディショナとは、太陽光発電パネルで得た直流の電力を交流に変換して、系統につないで売電するために必要な電力変換器である。システム全体のコストを下げるための高電圧化が進むなか、高効率な直流1500V入力とすることで、施工費や保守費用を含むコスト低減を実現した。