健康志向で高まる人気の一方で、高齢化・後継者不足などにより供給が追いつかない国産レモン。地域の行政や農家との共創によって、持続可能なレモン栽培を通じた地域振興を図る。

 サッポログループは、2019年12月に「サッポログループ サステナビリティ方針」を策定し、SDGsに紐づけられた11項目の重点課題に対し、それぞれ中長期目標を定めている。この11項目のうち、グループ企業のポッカサッポロフード&ビバレッジが展開しているレモン事業は、「新価値創造」と「地域貢献」の2つの項目に該当する事業である。

 近年、日本国内におけるレモンの需要は高まりつつあり、20年の同社のレモン事業の売上高は前年比116%に達し、主力商品である「ポッカレモン100」「キレートレモン」とも過去最高の出荷数を記録した。

 こうした状況のなか、同社はレモン事業のさらなる価値向上に取り組んでいる。

市場規模を5年で2倍に拡大

 ポッカサッポロフード&ビバレッジは、「レモンの素材まるごと、そしてレモンの豊かな可能性を追求し、商品、サービス、様々な社会活動を通じて人、社会を明るく元気に応援する」というレモン事業のビジョンを掲げ、中期的な目標としてレモンの総需要を26年までに2倍にするとしている。

■ レモン事業について
■ レモン事業について
(図版提供:ポッカサッポロフード&ビバレッジ)

 「これは当社の売上高を2倍にするという意味だけではなく、日本国内におけるレモンの市場を私たちが盛り上げていくという意志を表したもの。現在、その目標を実現するために、レモンを通じて『食育』『健康機能』『地域共創』という3つの価値を訴求している」と、レモン・プランツミルク事業本部 事業企画部 オールレモングループ グループリーダーの土屋淳一氏は語る。

 このうち、「食育」価値の訴求については、レモンの文化や価値を伝えることを目的として、「レモン大学」と名づけたセミナーを実施。具体的には、レモンを使った料理教室の展開、小学校でのレモン食育授業、工場見学などの啓発活動を行っている。

 「健康機能」の価値については、レモンに含まれるクエン酸の機能を広く発信している。レモンのクエン酸含有量は、果物の中でトップクラスであり、みかんの約6倍、りんごの300倍という。

 「クエン酸には、カルシウムを溶けやすい形に変える力があり、骨の健康に効果が期待できる。また、酸味が料理の塩味を感じやすくするため、レモン果汁を調味料として加えることで減塩につながる。さらに、クエン酸を継続して摂取することで、疲労感を軽減する機能があることが分かっている」(土屋氏)

 レモンの摂取と健康状態との関係については、18年5月から県立広島大学、広島県大崎上島町、ポッカサッポロフード&ビバレッジが共同で調査を開始した。大崎上島の町民約500人のボランティアが参加し、23年までの5年間にわたって長期的に観察する研究を進めているところだ。